うめまつ

デューン 砂の惑星PART2のうめまつのレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
3.6
ウォーケン様目当てで見に行ったのに出番少なめで寂しかった。本作を堪能する才能がない自覚はあったけど、それにしても予想以上に没入出来なくてかなり冗長に感じてしまった。特に戦闘シーンに興味がないので後半うとうとしてしまい、気づいたらクライマックに突入していて多分諸々見逃している。以下も良いことは1つも書いていませんので悪しからず。

PART1ではあんなに格好良かったお母さんも、可愛かったポールもすっかり別人になってしまって(いる訳ではないけどそう見える演出で)悲しかった。スケールが壮大なのは良いんだけど視点があまりにも俯瞰的というか《神が定めしルートを辿らされる哀れな人間たちの争い》みたいに見えて、何が起きても心が揺れなかった。予言と救世主推しもくどすぎたし、そもそも血統主義による権力争いをどう楽しんだら良いのかわからない。こんなに好きな役者さんがいっぱい出てるのに、思い入れを持てる人が居ないので気持ちの置き場がなかったし、諸々の固有名詞も頭に入ってないので何の話をしてるのかしょっちゅう迷子になって早く家に帰りたかった。才能がない上に勉強不足なので当然の結果であった。

何より今まさに地球上で起こっている戦争や虐殺やそれによる人為的飢餓で子供が毎日死んでいってるというのに、この遥か未来の架空の惑星の紛争をエンタメとして消費して良いのか、私はこの作品から何か得るものがあるのか、などと考えてしまい本当に観客に向いていなかった。そしてどうしたってガザを想起させる物語のこんな役をやりながら、同時にハマスをネタにしたコントをやるシャラメのマインドが改めて理解できなくて、悩めるポールのことも白々しく映ってしまった。別に役者に完璧な聖人であれとは思わないしそれだけで糾弾したい訳でもないけど、ノイズになってしまったのは確か。とにかく今の私にとっては、現実の酷さに思いを馳せるしかない無力さを再認識させられる虚しい映画だった。
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