みや

ハイ・ライズのみやのネタバレレビュー・内容・結末

ハイ・ライズ(2015年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

ロンドン郊外にある40階建ての超高層マンション〈ハイ・ライズ〉で、格差のある低層階と高層階の住民たちが激烈な闘争を始めるスリラー。
J・G・バラード『ハイ・ライズ』 が原作。

田舎の面倒な近所付き合いを映画や小説で観たりすると嫌な気持ちになるが、イギリスの高級マンションでもこんな状況があるのかと不思議な気持ちになった。
隣りに誰が住んでいるのかも分からないような現代の状況を悪く言う人もいるけれど、こういう過干渉があるくらいなら、他人のことなんて互いに誰も気にしていない方が良い。
そんな風に思わせてくれるくらいに、前半から凄まじい勢いで窮屈さと歪さを徹底的に表現してくれている。

途中の、一番盛り上がるであろう頽廃していく過程がコマ送りのようにサクッと省略されるのは面白かった。
小説でもそうなっているのだろうか。
どんな階層に生きていようとも、極限状態では暴力とセックスに支配される。
結局、人間は変わらない。

途中でよくわからない展開や会話は何個かあった。
社会への風刺が込められているのだろうと思うのだけれど、難しいことはよく分からない。
そこまで深く考えずに観た。
それでも十分に楽しめて満足。

駐車場に車が在りすぎて、自分でどこに止めたかを分からなくなる場面は、何気ないシーンだったが凄く怖かった。
みや

みや