カズナリマン

ランダム 存在の確率のカズナリマンのレビュー・感想・評価

ランダム 存在の確率(2013年製作の映画)
4.4
彗星が接近した夜に集まった若者たちに起こる奇妙な現象を巧みな脚本で描き、シッチェス映画祭で脚本賞と審査員賞を受賞したSFスリラー。
「プリデスティネーション」と並び、2015年を「B級ハードSFの年」たらしめる(自分調べ)傑作でっす!

●軽くあらすじ
ミラー彗星が地球に最も近づく晩、8人の男女がホームパーティを開いていた。彼らが彗星の話題で盛り上がっていると、停電が発生し部屋の中が真っ暗になってしまう。外の様子を見に行った8人は、自分たちと全く同じ人々が、全く同じ家でパーティを開いているという信じがたい光景を目撃する…

めっちゃ期待したにもかからわず、期待を上回る完成度!
自分のツボは、低予算SFやミステリーなんですが、本作は低予算ながら見事な奥行きと世界観!そして自分の想像力を無限にかきたててくれます。
あと、こういうSFで数学なんかが絡んでいるのが、とても好きなんです。
ストーリー中に「シュレーディンガーの猫」という量子力学のセオリーがでてくるんですが、これがまた絶妙にSFの「こんなことあるかも感!」を刺激してくれるんです。
言っておきますが、頭はまあまあ使います。家でみていたら「ええ??え?今、どうなっているの??」的なシーンで思わずDVDを巻き戻したくなってしまうかも知れません。その手待った!!とりあえず、一度通して全部みてください。ちょっとやそっとおいてきぼれても、オチはちゃんとわかるようにできておりますから。
とことんリアルなタイムトラベル映画「プライマー」や、素数の謎解きがカギを握る「キューブ」、ユダヤ語に潜んだ数学的謎が明かされる「π(パイ)」など、数学が絡んだスリラー系映画が大好きな人、見逃せませんぞ!!

ちなみに…

「シュレーディンガーの猫」とは??
まず箱を用意し、中に猫1匹と、青酸ガスが発生する可能性のある装置をいれ、ふたを閉めます。
青酸ガスが発生する可能性は50%。すなわち半分の確率で猫は死ぬワケですが、ふたを開けるまで、その結果はわからない。これを量子力学の確率解釈というフィルターを通すと、「ふたを開けるまで箱の中には、死んでいる猫と生きている猫、2つが存在する」という考え方ができるのだそうです。これがどう本作に関係してくるかは、お楽しみ。
(ちなみにこれは思考実験なので、実際には行われていません)
※すみません、かなり適当にまとめているので、細かいセオリーの解釈の間違いはお許しを。