メル

暮れ逢いのメルのレビュー・感想・評価

暮れ逢い(2013年製作の映画)
3.6
恋愛物は面白味が無くて…と思っていたのですがパトリス・ルコントの新作という事で。

第一次世界大戦前のドイツ。
実業家で成功した夫カール、その妻ロット、そしてロットに恋する若く聡明な秘書フレドリック。

単純に言えば三角関係、気持ちの上での不倫です。
唯、台詞が少なく無駄な会話が無いので下品ではありません。
その辺りが流石のルコント監督のセンスの良さでしょう。

妻の気持ちを知っている様で知らないふりをするアラン・リックマンの抑えた演技が良いです。

レベッカ・ホールは首が長いので、当時のドレスや帽子が良く似合い、青年が恋をする相手として充分魅力的。

フレドリックがピアノにおずおずと触れて顔を近づけるあたり、「仕立屋の恋」の覗き見に近い興奮でしょう。
しっかり家政婦に見られちゃってますが…f^_^;)

ラストでは夫は亡くなっているので2人を祝福する気になりますが、息子が19歳になったとは言え夫が存命だったとしたら心情的に受け入れられないかも。

原作はオーストリアの作家シュテファン・ツヴァイク。
ユダヤ人だったということで、この映画でも戦後のシーンにナチスのパレードが描かれているのは興味深い。

パトリス・ルコント監督にしては珍しく英語劇です。
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