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女番長ブルース 牝蜂の挑戦のshishiraizouのレビュー・感想・評価

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女番長シリーズ第2作かつ、連打される池玲子主演シリーズ第4弾。

①温泉みみず芸者(71.7.3)
脚本鈴木、掛札昌裕
②女番長ブルース 牝蜂の逆襲(10.27)脚本鈴木、皆川隆之
③現代ポルノ伝 先天性淫婦(12.17)脚本鈴木、掛札昌裕
④女番長ブルース 牝蜂の挑戦(72.2.3)脚本鈴木、皆川隆之
と、掛札、皆川が交互に脚本を担当しつつ休みなく続く

冒頭、拾った『朝日ジャーナル』を「ひゃあ難しい本。マンガと換えたろ」売店のおばちゃんに『少女フレンド』と強引に交換させるスケバン。インテリ的なものへの反発があるか。〈教養文化の厚化粧をほどこしゲイジツの花をめでる知的エリートとはカンケイないのである〉

今回の池玲子はパール団のマキ。シリーズだが前作とは無関係。団員もいれかわっていてリセット

快活にワルをなすスケバンどもの活躍がたのしい前半はしかし、やくざが現れ人情と暴力に絡めとられて前作同様浪花節的な重さで古びてしまう。血糊の絵の具感が古い

露天風呂、裸でキャッキャするパール団の女たち。不審なボンベを見て「魚雷とちがう?」。戦争の記憶がまだあるんだなという感慨

梅宮辰夫「不良番長 神坂弘」と名乗って登場、賑々しいが抗争のゲームバランスが激しく狂う
映画は娯楽そのもので、笑いに裸に暴力、カーアクションにガンアクション、騙しに殺陣、SM要素も。鞭やローソクを使った責めは勿論、コーラをあそこに注ぐ拷問、将棋の駒を口に詰めて殴る暴力描写も

母(小山明子)の件で傷ついたセクシーなスケバンのマキがオートバイ大好き青年に紅葉敷き詰めた森で抱かれ、あなたが好きと言う。マキのライバル、黒百合会のユリも彼を好き。オートバイ好きの皆川隆之の願望だろうか

次作品『徳川セックス禁止令 色情大名』(72.4.26)も池玲子、サンドラ・ジュリアン競演で決まっていた。しかし、池玲子の突然の歌手転向・ヌード拒否・東映映画不出演というニュースで、この流れはいったん断ち切られる。
1年もたたずに頭を下げてまた戻ってきた池玲子は、杉本美樹主演作『女番長ゲリラ』(女番長シリーズ第3作、72.8.12)で助演として復帰することになります
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