法律に則った立場と正義感が両立。
人として調和の取れた主人公ドノヴァンに魅了される。
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米ソ冷戦時代、保険専門の弁護士ドノヴァンの有能さ故にアメリカで捕えられたソ連側スパイ·アベルの弁護をすることに。
これを機にソ連側が捕らえたアメリカ人とアベルの交換のため、ドノヴァンは敵地での交渉を行うことになる。
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弁護士と言うより交渉のプロ。
偏見に流されず法の下の平等を貫ける、真の仕事人。
こんな心ある仕事がしたいよね。
だからと言って法律で頭ガチガチではない。
ソ連に捕らわれたCIAパイロットだけでなく 東独に捕えられた学生までをも使命かのように救う。一休さんもビックリな頓知…いや、交渉力。
自ら生死を賭けた無茶振りを課す…彼をそこまで駆り立てるものが何なのかは明確にされていないが、その情の厚さが人間らしい。
彼がなぜ危険地にてスパイの交換交渉どころか、更にもう一人の返還のため挑んだのか?人間の長〜い歴史上の奇跡とも思える。
アベルの静けさ。淡々としたあの表情からは彼への深い感謝の意が伝わってくる。
帰宅してからのラストはスピルバーグ感満載で懐かしさも感じる。平和な陽の光。
ベッドに倒れ込んで寝てるトム·ハンクスがあんなにも格好いい。
敵地が寒冷地というのも相俟って、緊張感の弛緩を存分に楽しませてもらった。