GUMI

明け方の若者たちのGUMIのネタバレレビュー・内容・結末

明け方の若者たち(2021年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

胸糞悪くなりたかったのに存外に良作だった。
青春って10代だけのものじゃないんだな、20代中盤も青春だったなーって振り返ると思う。
女3人で秋葉原で会社の愚痴やら、やらかした話を包み隠さず語り合ってはカラオケで時間を溶かしたあの無敵な夜たちのことを思い出す。

頑張ってもどうにもならないこともあるんだなって気付く学生時代。どうにもならなかったことを抱えて人は生きていくんだなって気付く大学卒業後からの20代。それが表現されていたと思う。
いつまでも続けばいいのに…どんなこともいつか終わる、なのですよね。

風俗で北村匠海くんが漏らしたことが真理だな。よく分かりすぎておえおえ泣いた…
不倫とか浮気とか関係なく、ただ目の前にいる人のことが好きで好きで堪らなかった。ただそれだけのことよね…このシーンだけで観て良かった。
きっとあの時間のことをいつ思い出しても苦いんだけど、それでも悔いはない。辛いことは辛いままでよくて、自分を形成するひとつになってると思い返すのかもしれない。

最初は、あんなにつまらない毎日を過ごしている人の代表格らしく描かれている上司も、役割を全うする難しさと格好良さを伝える存在になっていたのも良かった。
なんでこんなおかしな世界に何十年もいられるんだろう?って斜に構えることもあったけど、何かしらのタイミングでその凄さに気付くことがある。気のせいかもしれないけど、印刷所の事故のシーンと傷心の彼に気付かうシーンでそう感じとった。

みんなと違う世界を見てそうなああいう女性、あの世代だと沼るよね。最強でズルいよね。

というか、井上祐貴くんこれから気になりすぎるでしょ。なんやあのただの格好良い好青年って。
GUMI

GUMI