人生色々、視点のチェンジが効果的でなかなか見せる作品。
ーーあらすじーーー
■工事現場、ジン（宮崎光倫）は社員を殴って怪我をさせ上司に怒られるが、その上司も殴りクビに
ふてくれされながらアメ車で走り去る。
■川崎の工場地帯
不倫カップルが車内で話し込んでいる。男（斉木しげる）は銀行員で離婚する気もない、ミキ（白鳥靖代）は男に愛想をつかし去ろうと
するが男はしつこく、ミキを引っ叩く、倒れたところにさっきのアメ車
ミキは助けてといいジンの車に乗り込む。
なんか食わしてくんねえか、二人はレストランで食事、住むところのないジンはミキの部屋に泊めてもらう。ジンは期待されて南海ホークスに入団したのだが肩を壊し公式戦に出ずに引退していた。ミキは彼のファンであった。
■銀行員吉田からミキに電話、悪いのは僕、喫茶店で待っているよ。
横からジンが電話に出て、手切れ金５００万用意しろよ、、
ミキはあなたも一緒にきてねと頼む。
■吉田は知り合いのヤクザ（佐藤蛾次郎）にジンのことをなんとかしてくれと頼む。ヤクザはばあちゃんの家から銃を持ち出す。
俺が１００万、若いの2人に５０まんでどうだ
パチンコ屋で時給5万でチンピラを誘う、喫茶店で待つが吉田は来ず、ヤクザが来た。
■ミキはヤクザの車で吉田に会いに行く、ジンの車にはチンピラ３人が乗る。吉田はバブルの時はイケイケで怪しい不動産に手を染めその時にヤクザと知り合ったのだ。
■ミキとジンは寂れた工場に連れてこられ、3人のチンピラにジンは痛めつけられる。ヤクザは銃で脅しミキの体を狙っているが、割って入ったジンと揉み合ううちに銃でチンピラ一人を撃ち殺す、ジンは銃を奪いもう一人も撃つ、3人目は鉄パイプで腕を折る。ヤクザを脅し吉田の居場所プラザホテルを聞き出し、金を要求するジンとミキ
■好きよジン、ミキと結ばれる。
■警察の取り調べに、チンピラ二人はヤクザとジンのことは伏せる。死んだチンピラの母はハワイにおり、もう死んだんでしょ、、なら旅行してから帰ると息子の死も放置
■回想、死んだチビのチンピラの思い出、うどんと冷麦の違い、、
ニュースで犯人は東南アジア系とされていた。
■チンピラ二人はヤクザのところに出向き、あれが５万の仕事ですか？と文句。ヤクザがお前の友達がばかだ、というとカッとなったチンピラがヤクザをナイフで刺し殺す
■チンピラ二人はジンに復讐をするつもりだったが、相手は銃を持っており、銃砲店の客建設会社社長をつけ、家に押し入り社長と妻を殺し散弾銃二丁を奪う。
＜以下ネタバレあり＞
■チンピラは吉田を脅し、ジンの居場所を聞く、ジンとミキに用意した７００万円もチンピラに奪われれる。警察がチンピラを職質するが撃ち殺される、、チンピラ二人は銀行員吉田の小学生の娘まゆみを人質に、あの男の居場所を教えろと脅す。
吉田はジンとミキに娘がさらわれた、、お願いします、あいつらから助けてくださいと懇願、ジンはお前の娘ん中知らねーよ、ミキも絶対に戻らないでよ、、なんであいつの子供をあたしたちが、、その時うっセーな！とジンは車をUターンし吉田を乗せてチンピラの待つ場所に向かう。娘を連れて逃げる吉田、、チンピラとジンは銃撃戦になる、ジンが一人撃ち殺すが、もう一人が落とした散弾銃を拾おうとした瞬間ミキが撃ち殺す。
二人はサングラス🕶をかけアメ車で走り去るのであった。
エンディングでは3人のチンピラが楽しくつるむ写真、ジンとミキの写真が流れる
ーーーあらすじ終わりーーー
漫画家でありつつバイオレンス映画を地道に撮ってきたきうちかずひろ。
彼の作品の中では地味目であるが個人的には好きな一作。
主演の白鳥靖代は1990年版「櫻の園」で倉田さん役が印象的なクールな美人系。ただアクションには正直向いていないですね。
注目すべきは、ジン役の宮崎光倫。Vシネに何本か出演したり、1994年のきうち監督版「BE-BOP-HIGHSCHOOL」にも出ている俳優であるがまず
顔つきが良い！
見るからに不良であり、背も高くシャープな体つきで威圧感があるがどことなく哀愁漂うところもある。
70年代の若者のように見える、演技は大したことないが存在感がある。
この映画は視点のチェンジが面白い。冒頭から半分くらいまでは「トゥルーロマンス」風ジンとミキの逃避行的な話であるが、後半はジンに仲間を殺されたチンピラ視点に急展開する。
きうちも大きな影響を受けている「仁義なき戦い」シリーズも多視点による群像劇ですが「JOKER」はもう少しウエットで、ジンの側にもチンピラの側にも人生があるのよという具合である。
観客はチンピラにも感情移入しそうになってきたところで最後の銃撃戦という構成はなかなか面白い。
ミキとの絡みはかなりしょーもない部分であり、アクション以外は力入っていないのかな。万人にオススメという映画ではないですが、まずまず
