日本のアニメーションの父と称せられる政岡憲三の代表作で、日本初の完全セルアニメ。
パイプふかした紳士然としたクモさんが、糸でハンモックを作り、幼女テントウムシを誘う。振られたので追いかける。チューリップ(中に顔が付いてて怖い…)に匿われる。雨風強くなってクモの巣がダメになる。自分も凍えて吹き飛ばされる。チューリップの葉っぱに次々とトスされる。最後は地面に落ちる。死。
自然系のドキュメンタリーで捕食者が登場したときも大体悪役だけど、こういうのを見ると、いつも「いやクモだって生きるためにやってることなんだし、そんな村八分みたいなことしたら可哀想…」と思ってしまう。
それはそれとして、このクモさんは変態紳士にしか見えないのでリンチされても仕方ない。公開は絶賛戦時中だけどこんな時代もロリコン性犯罪者いたんだろうか(いやそんな時代だからこそ悪さしやすいのか)。
というか、何だろうな、このどことなく性的な感じは。あまり言いたくないけど幼女テントウ虫の描き方にどうしてもフェティシズムを感じてしまう。手塚治虫を経由して戦後日本の漫画・アニメ文化に悪しきミームをばらまいた……というのは後講釈だろうか?
ちなみに政岡氏は戦後、目の病気のために挿絵作家に転向してしまう。