2時間20分あるが、原作もどんどん分厚くなっているので、「これを入れないと話が成立しない」という箇所だけを抜き出してパッチワークした、例によってかなり息苦しい構成・編集になっている。4巻から上下巻だけど、どうまとめるのか、ある意味楽しみになる。
キャラ描写も省略されすぎて、主人公トリオ以外のキャラに愛着を持ちようがない気がする(映画のマルフォイはネタキャラの地位を確立した感あるが)。もっとも、自分も原作の記憶が相当薄れているので、以前ほど気にならずに済んだかな。
もうひとつ本作を楽しめた理由は、ビジュアル(ハリポタ世界の映像化)に全振りしている制作者の姿勢に寄り添えるようになったから。特に本作のラスボス的存在のディメンターはまるで『ソウル』シリーズの敵のよう。子どもが泣き出しそうな恐ろしさだ。登場シーンも気合入っている。
ハッピーエンドとはいえ陰鬱な空気が立ち込めてくる第3巻だが、映画ではこの陰鬱さがゴシックホラー的な雰囲気でうまく表現されているのも評価したい。演出や撮影も、子どもの観客が付いてこれることを意識したわざとらしい感じが少し薄れてきたような気もする。
って監督キュアロンかい。どうりで雰囲気全然違うわけだ。