まーしー

ズートピアのまーしーのレビュー・感想・評価

ズートピア(2016年製作の映画)
3.0
舞台は、動物だけの社会「ズートピア」。
動物園(Zoo)と理想郷(Utopia)を組み合わせた造語が示す通り、動物たち誰もが憧れる世界。

主人公は、ウサギで初めて警察官になったジュディ。
キツネの詐欺師ニックとタッグを組み、相次ぐ動物の失踪事件を解決しようとする。

本作、個性的で魅力あふれる動物たちが多数登場。
特に、免許センターで働くナマケモノは、何もかもが超スローでおもしろい。
他にも、「ミスター・ビッグ」と呼ばれながらも体が小さいネズミや、市長秘書(シツジ)のヒツジなど、ユニークなキャラばかり。

一見、そのようなキャラを重視したアニメーション映画のように思うが、多様性の尊重を訴えるなど、扱っているテーマは重要なもの。「誰もが夢を叶えられる社会」という世界観ながら、「肉食動物>草食動物」というヒエラルキーをさりげなく描いている。
また、ジュディは警察署長から駐車違反の取締りを任される。重大事件はカバやサイなどの大型動物が担当し、ジュディのようなウサギはその任に当たることができない。
外見だけで判断するこの展開は、見方を変えれば、人種差別・外見重視が残る社会や学歴社会を皮肉っているようにも思える。

挫折を味わい、幾多のピンチを迎えながらも、懸命に事件を解決しようとするジュディ。
その姿勢からは、諦めないことの大切さも学べることだろう。

アカデミー賞で長編アニメ映画賞を本作は、批評的にも興行的にも成功を収めているよう。
私の中では絶賛とまで至らなかったため、再鑑賞して、改めて作品の良さを確認したい。