Tラモーン

真・仮面ライダー 序章のTラモーンのレビュー・感想・評価

真・仮面ライダー 序章(1991年製作の映画)
3.2
「生誕50周年記念 THE仮面ライダー展」に行って来まして、長い仮面ライダーの歴史を振り返って来たんですが、このあたりの『仮面ライダーBLACK』と『仮面ライダークウガ』の境って存在知ってるけど全然観てねぇなと気になり、仮面ライダーシンの等身大展示の異様なルックスに惹かれまして鑑賞です。


巷で若い女性が無差別に惨殺される事件が相次いでいた。そのころ、生化学研究所の研究者を務める父親のため、自ら志願して実験台となった風祭真(石川功久)は自分が人を殺す悪夢に悩まされていた。研究所では人間の細胞を改良する実験が行われていたが、その実は「財団」と呼ばれる組織による改造兵士をつくることを目的としたものだった。


『仮面ライダー』の根元である、望まず人ならぬモノに改造されてしまった者の苦悩と孤独と哀しみにフォーカスしたハードボイルド路線の作品。

90年代らしい無機質な雰囲気と、仮面ライダーらしからぬゴア描写、そして子どもが観たらトラウマレベルのグロテクスな仮面ライダーシンのルックスと生々しい変身シーン。劇場公開やTVシリーズではなくビデオ作品としてリリースされたにしてもなかなか攻めてる。
めちゃくちゃ鮮血飛び散るし、シンのルックスは最早ヒーローとは程遠く、リアルなバッタが人型をしているという感じ。

悪の組織ショッカーを現代的に、私欲のために非道を働く財団として置き換え、自分の身体を望まぬ生物兵器へと変えられた真の孤独。
大切なものを何もかも奪われた彼が下水道の奥へと消えていくラストシーンは余韻があってカッコイイ。


まぁでももう少しストーリーに深みが欲しかったかなぁ。『シン・ゴジラ』みたいに異形を描くことで敢えて本質を突くという手法はかなり的確だけど、大人向けというにはちと稚拙だし、かと言って子どもウケする作品でもない。
それでもこの苦悩が仮面ライダーというヒーローの本質ではあるわけだし、実際『シン・仮面ライダー』には多少なりとも影響してるんじゃないかな。


=========================

冒頭で触れた仮面ライダー展ですが、少しでもどの世代であっても、仮面ライダーで育った自覚のある方ならめちゃくちゃ楽しめるはず!
GWまで静岡、夏には大阪でもやるみたいなので興味ある人は是非行ってほしいな〜!

https://www.kamen-rider-official.com/kr50th/exhibition/

入り口で初代仮面ライダー本郷猛を務めた藤岡弘、の語りのビデオが流れるんですが、これが本当にカッコよくて…。
1号2号を観て育ったぼくは鳥肌全開でウルウル来てしまいました😇

一緒に行った息子は展示自体は楽しかったらしいですが、初代仮面ライダーはちょっと怖いのでまだ観ないらしいです😂😂😂
Tラモーン

Tラモーン