茶一郎

龍三と七人の子分たちの茶一郎のレビュー・感想・評価

龍三と七人の子分たち(2015年製作の映画)
3.0
『古くてもいいじゃないか!ただ新しくてもダメじゃないか?』


「アウトレイジ」以降エンターティメント寄りになっている北野武監督作品。
映画の味付けは北野武というよりビートたけし監督作品という印象です。
今の日本映画で難しいコメディ映画を豪華キャストを集め、真っ向勝負した北野武監督は素晴らしいと思いますし、面白い、笑いを共有する意味でもぜひ劇場で見るべきだと思いました。


内容については、ビートたけしという芸人が今まで触れてきた笑いの合体という変な印象を受けました。
個人的に、初期北野映画、特に「ソナチネ」から『落語』っぽさを感じましたが、今作の『蕎麦屋の下り』は題材含め間も『落語』っぽい。
一方でテレビ的な演出をしたり、早撃ちのマックの『口上の下り』のツッコミのテンポは『漫才』っぽい。
これらの融合が気持ち悪いと思う方と、良いと思う方がいると思いました。

特に、テレビ的な効果音や長いセリフにウンザリする方がいても仕方がないように思います。
ただ、面白いことは間違いがないです。

編集のテンポについては、やはり北野映画といった感じです。オープニングとエンディングの切れ味(どこか弱いように感じましたが)は良かったです。


繰り返しになりますが、今の日本でコメディ映画を作り、興行収入を十分に得ているという事実が素晴らしいと思いました。
茶一郎

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