SHIROHITO

チャッピーのSHIROHITOのレビュー・感想・評価

チャッピー(2015年製作の映画)
3.5
『Chappie』

期待してたんだけど…二元論的テーマ含め社会性が込められているのは理解出来るし、監督の日本好きも伝わって楽しいけど!腑に落ちないことが多すぎてストーリーに入れなかった。いい材料が揃ってるだけになんだか。。エンタメとしては楽しめる。この監督じゃなかったら変に構えず楽しめたか…?

ロボット警官導入の成果で犯罪件数も減った世界で、そのロボットを製作した主人公ディランがとうとう完璧な人工知能を完成させ、1体の廃棄寸前のロボットに試験的に導入し、世界初自ら思考し成長するロボット、チャッピー誕生!訳あってギャングと生活を共にし、その中で色々なことを学び自分の存在を見つめながらチャッピーは成長していく…………

監督さすがの手腕で、『第9地区』でのあの異形な生き物からロボットへと対象を変えた今回も、観客に親心を持たせてこのチャッピーを見させてしまうあたりは見事だった。
人間の赤ちゃんのようにまっさら状態のチャッピーは、言葉も一つ一つの単語から意味や文法をもの凄いスピードで覚えていく。その教育していく過程でチャッピーはもう完全に子供にしか見えなくなるし、周りの大人の期待に応えようとする姿がとても愛おしくなってくる。
ロボット警官への逆恨みで不良たちから訳も分からず暴行されるシーンなんかほんとに観てて辛い。痛みはロボットだから感じないのだが、怯え痛がってるのが伝わってくる。差別されぞんざいに扱われる者の視点をロボットを使い痛々しく示したと思う。
自身の存在や命について考え、チャッピーがどういう選択をしていくかっていうのは見応えがある。

ーーーーーーーー以下不満ーーーーーーーー
けど、どうにもすっきりしないところが多いよ。
・チャッピーの中途半端な正義感。銃とナイフ、手裏剣の違いはなんなの。そこの線引き。
・ママ気取りのヨーランディの働きの薄さも目に余る。重要な事をチャッピーに教える点以外はキャラとして必要性が低いし、もっと彼女を掘り下げたほうが最終的に盛り上がる。
・ギャングの連中もチャッピーを悪の道に誘い込むわけだけど、ロボットを仲間にするメリットを全く活かしてない。まるでチャッピーがいる意味がない!そこはロボットがいるからこその犯罪をさせなきゃよ。
・チャッピーが人間三人にねじ伏せられる所なんて訳わからん。弱!あり得ん!怪力ロボットだろチャッピー!
・後半のディオンも、あの事件は起こり得ることは十分予想出来たじゃないか。今君にはやるべきことがあるだろ。君にしか出来ないことが!

他にもバッテリーとかヘルメットとかラストの展開とか……
一度観ただけだから忘れた箇所もあるけど、悶々とするところが沢山あった。ネタバレ覚悟ならもっとあるで!目に余るほどに。
うまくカバーして描いてくれないと楽しめないし萎える。ご都合展開になっちゃうよ。雑に作ってんなぁーって思わせたら終わりやよ。こういう作品やSFノワールなんかは、その作業は絶対条件だと思うんだけどなぁ。
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いい所は予告で想像できる部分ばっかだったけど、
妬み嫉みに支配されむちゃくちゃやりおるヒュージャックマンは良かった。相手をいたぶり笑ってるイカレた悪役っぷりは最高だった!
ハンスジマー、ニンジャやヨーランディの音楽も良かった!

観終わってコーヒー飲みながら勢いで長々書いたけど、
たぶん誰でも楽しめるエンタメ映画になってると思います!バトルあり感動あり、そしてチャッピー可愛いし。メカメカした作りは最高だしね。
チャッピーのフィギュア発売されたらたぶん買っちゃうと思うww
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