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キャプテン・マーベルのRのネタバレレビュー・内容・結末

キャプテン・マーベル(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

2019年のアメリカの作品。

監督は「シュガー」のアンナ・ボーデンとライアン・フレック。

あらすじ

1995年、惑星「ハラ」でクリー人のエリート特殊部隊「スターフォース」に所属するヴァース(ブリー・ラーソン「ワイルド・スピード/ファイアブースト」)は宿敵スクラルが潜伏する惑星トルファでの救出任務中、スクラルの司令官タロス(ベン・メンデルソーン「シラノ」)によって囚われ、失った記憶の一部を探索されてしまう。隙を見て脱出した彼女が
行き着いた先は惑星「C-53=地球」だった。

今日公開で観る(予定)の「マーベルズ」に合わせて、劇中で登場している「ミズ・マーベル」のドラマシリーズをようやく鑑賞して(かなりしんどかった!)、そういえば一作目自体、当時劇場で観たもののなんだかんだレビューあげてなかったなぁと思い、復習がてら鑑賞(ちなみに、関連作品である「シークレット・インベーション」は今から観るのだと間に合わなさすぎて諦めました…。何とかなるっしょ!)。

いやぁ、久しぶりに観たけどやっぱ面白いし、キャプテン・マーベルというキャラクターが改めて好きになる作品でした。

お話はあらすじの通り、MARVEL、MCUの打ち出す新たなヒーローの「Beginningもの」としての意味合いが大きい内容となっている。

ただ、同時に舞台は1995年の「アベンジャーズ」結成前。ということでアベンジャーズの司令官、フューリーことサミュエル・エル・ジャクソン(「ハンクの肉球大決戦」)やその有能すぎる部下コールソン(クラーク・グレッグ「モキシー〜私たちのムーブメント〜」)が最新のVFX技術で若々しい姿で登場しているのが特徴。

サミーはこの頃は今のスキンヘッドではなくうっすら髪が生えていて、なんかタランティーノの初期作の頃のギンギンな感じが蘇ってて改めてCG技術すげぇな!

で、やはりなんと言っても主役のキャプテン・マーベルことキャロル・ダンバースを演じたブリー・ラーソンの魅力が炸裂している!今でこそ雄々しさ溢れる完璧超人のイメージが強いけど、発端となる今作ではクリー人の特殊部隊「スターフォース」に所属するエースとしての初々しさもあって、部隊のリーダーであるヨン・ロッグ(ジュード・ロウ「ピーターパン&ウェンディ」)との組手でも苦戦を強いられるなどまだチート級の強さはないのが興味深い。

たた、それでも反則技の両腕から出る「フォトンブラスト」で反撃するなどキャロル本来の負けん気の強さはこの頃から健在。

で、肝としてはこの時、キャロルは過去の記憶を失っており、なぜ人間であるはずのキャロルが遠く離れた惑星にいるのか、なぜ他のクリー人にはない能力を持っているのか、そしてなぜ記憶が失われているのかその出自全てが謎に包まれており、それが徐々に明かされていく作りとなっている。

で、その後のMCU作品でも度々登場するスクラル人に関わるスターフォースとのミッションの後、キャロル1人は捕まってしまい、その失われた記憶を探索されてしまうんだけど、スキを見て脱出した先がC-53こと地球。

そこでは、上述の若かりしフューリーやコールソンなども登場し、特にフューリーとは相棒としての関係性を築いていくので、他の作品だと司令官ポジとして意外に活躍してない点含めてフューリーファンには面白く見れるかも。

また、舞台が1985年という年代や劇中の地球での登場人物たちの服装、そしてキャロルが地球で所属してしていたのがアメリカ空軍という点を含めて明らかに「トップガン」意識している点も面白い。キャロルなんかマーヴェリックお馴染みのサングラスかけちゃってて微笑ましい笑。あとフューリーのコワモテに似つかわしくない「ネコちゃ〜ん」と猫撫で声で可愛がる姿のギャップがいちいち面白い。

特に今作のマスコットのネコちゃん…ではなく、フラーケンと呼ばれる一見ネコなのに口をガバァ!と開けると遊星からの物体Xよろしく触手で相手を喰らう恐ろしいモンスターの名前がマーヴェリックの相棒と同じ名前のグースな点からも明らか。

お話的にはスクラル人が絡んでいるからか、誰が変装しているかわからない二転三転するストーリーに加え、後半からそれまで信じていた事実がガラッと覆るストーリーとサスペンスの度合いも高くて面白い。まだ観てないけど多分「シークレット・インベーション」はここら辺が上手く描けなくて評価的に微妙だったんかなぁ(まだ観てないからなんとも言えんが)。

その中で、やはりベン・メンデルソーン演じるスクラル人のボス、タロスが良い!!ベン・メンデルソーンというと悪役顔のショボショボおじさんっていうイメージで今作でも特殊メイクで全身緑の爬虫類顔で序盤はそれこそ色んな人に化けつつ、ヴィランチックに立ち回るんだけど、後半から実はスターフォース含めたクリー人の侵略によって、惑星を追いやられていたことがわかり始めると、逆にその悪役顔を逆手にとった言動がいちいち面白くて、グースに怯える感じとか、フューリーやマリア(ラシャーナ・リンチ「ウーマン・キング 無敵の女戦士たち」)から繰り出される、擬態に関するくだらない話に付き合うところとか、妙に真面目なのかなんなのか、憎めない三枚目な部分も見えてきて、あのメンデルソーンが特殊メイク!という意外性含めてギャップがあってお気に入り。

また、反対に後半から実は記憶喪失となったキャロルを連れ去って、悪役だったことがわかるジュード・ロウ演じるヨン・ロッグの立ち位置。またも大物俳優がMCU参戦!!ということであのジュード・ロウが出ているだけでテンションが上がるわけで、中盤までは流石スターフォースの隊長!!強さを維持したまま立ち回るわけなんだけど、覚醒したキャロルとの最終決戦で、早口で捲し立てた後、威勢の良さは何処へやらキャロルに瞬殺で吹っ飛ばされてスゴスゴと惑星に帰らされるところとかメンデルソーンと違う意味で面白い。つか、今作大物碌な扱い方しねーなw

で、今作MCU初の女性単独主役の作品であり、監督の1人は女性であることからも分かる通り、とにかく女性がみんなかっこよくて魅力的。キャロルのアメリカ空軍時代の相棒だったマリアも、死んだと思っての突然のキャロルとの再会、そしてスーパーヒーローになってました!という事実も割とすんなり受け入れ、一緒に戦ってくれるし、その娘ちゃんのモニカ(アキラ・アクバル)もキャロルとの再会を喜び、束の間の癒しを与えつつ、キャプテン・マーベルのヒーロースーツのカラーリングを担当する役割を担うなど重要なキャラクターとして印象づけられる。ちなみに、このマリアがドラシリーズ「ワンダビジョン」で成長した姿で登場し、現在公開中の「マーベルズ」ではヒーローとしてキャロルやカマラと一緒に戦うから要注目!!

また、脇のキャラもスターフォース内でキャロルと敵対する女性スナイパー、ミン・エルヴァ(ちなみに演じたジェンマ・チャンは全く異なる役で「エターナルズ」にも主演!!)もクールでカッコいいし、劇中のキーパーソンとなるローソン博士を演じたアネット・ベニング(「ナイアド〜その決意は海をも超える〜」)の短く刈り上げた髪型にライダージャケットを小粋に着こなす、かっこよさ!!本当一人一人が魅力的。

で、やっぱり極め付けはキャロル。スターフォースも追ってきて、黒幕スプリーム・インテリジェンスに囚われ、絶体絶命の窮地の最中、幼少期や空軍時代、「女だから」という理由だけで舐められ、苦渋を味わうたびにどんな時でも、何度でも立ち上がったように、今度も惑星の命運を懸けて立ち上がる姿はまさにヒーローそのものでグッとくる。

まさに女性ヒーロー主役の映画として申し分ない出来なのではないだろうか。

まぁ、覚醒しちゃったらあとはもうその活躍はご存知の通りって感じだが、キャロルがキャプテン・マーベルとして全宇宙の平和を守るために地球から旅立つと同時期に地球ではフューリーが仲間が必要だとチームを結成することを決意し、今はまだ名前の定まっていない「ヒーローチーム計画」に空軍時代のキャロルのあだ名である「"アベンジャー"ズ」の名前を刻むシーンは、ここからあのヒーローたちの歴史が始まったんだ!と静かな感動が押し寄せる…。

つか、その眼帯、序盤の事故は布石でグースに引っ掻かれただけなんかーい笑笑!!

ちなみに、本作冒頭にあるお決まりの「MARVEL」のロゴのシーンが公開前に惜しくも逝去したスタン・リーだらけのシーンが詰まった特別仕様となっており、改めてMCUの創始者であるリーに敬意を払いたくなる一作でもあった。

そんな感じで予習も(完璧とは言わないが…)万全、「マーベルズ」楽しみです!!
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