柏エシディシ

キャプテン・マーベルの柏エシディシのレビュー・感想・評価

キャプテン・マーベル(2019年製作の映画)
3.0
IMAX3Dにて。
ハイクオリティな作品を連発している近年のMCU一連の作品の中では、少し野暮ったいプロットや拙速に過ぎる展開などやや完成度で見劣りは否めないのだけれど、それでもブリー・ラーソン=キャプテンマーベルが最高に魅力的だし、個人的には、MCUキャラクターの中では屈指の好きな主人公になってしまった。

とびきりの美女というわけではないけれど、隣の女の子というか、普段は冗談を交わすけれど本当は憎からぬ思っちゃう同じクラスの女子という風体のブリー・ラーソンの個性が、得てしてチートで非現実的に思わせてしまうヴァースに愛嬌と共感を与えてくれている。
今からほかのMCUキャラとどういう絡みをするか楽しみ。
ソーとかロケットと気が合いそう。

女性主人公云々やワンダーウーマンとの比較論はいくらでも出来るだろうけれど、もはや声高に「女性」「ヒロイン」という言葉を強調しなくても、小さな女の子や女性たちが単純に憧れる、好きになってしまうチャームを自然にまとわせている脚本のバランスもこの場合、好感が持てる。
ヒーロー映画も成熟してきて、作品も観客もこういうテーマを自然に受け入れる様になってきていると実感する。

90年代オマージュに関しては、青春時代を過ごした身としては嬉しかったり、少し気恥ずかしくもあったりw
音楽使いはガーディアンズの二番煎じ感は否めないし、ストーリー上の意義も弱い気はするのだけれど、女性バンド多めなのは当時のライオットガールズ的気風で本作のテーマを補完する意味が大きいのかな。

ノーダウトのTragic Kingdomは95年当時すごく聴いていたので、あのひしゃげたイントロが流れてきた時、嬉しさより恥ずかしさが先に立って座席から滑り落ちそうになりましたがw

考えてみると、ご都合主義的な展開やヴァースとフューリーのバディ感(リーサルウェポン、ロングキッスグッドナイト)とか、本作の洗練よりノリ重視のプロットも90年代オマージュと好意的に捉えられるかも。

こういう言い方は年寄りクサくて嫌だけれど、95年以降に生まれた若い観客は本作をどう捉えているのか興味が湧く。
柏エシディシ

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