LilyElliot

スポットライト 世紀のスクープのLilyElliotのレビュー・感想・評価

4.7
素晴らしい作品。2010年代以降の実話ベースの映画ではトップクラス。

本作のキャストは、カトリック教会に立ち向かう話ながら、本当に神がかっていると思う。全員、本当に全員が素晴らしい。

4人編成の"スポットライト"、チームとして完璧過ぎるし、この4人の想い、やりとり、関係性が素晴らし過ぎる。もちろん部長や局長、仲間、被害者達との熱い真剣なやりとりも素晴らしい。

それから新しい局長バロンのあの内向的だがキレもの以外の何者でもない雰囲気、なんだあれは。

ストーリーはあまりにも重厚。これが実話だっていうんだから、本当に胸くそ悪くなる。それに、今だってきっとどこかで起こり続けてしまっている。とんでもないようなことが、世界のあちこちで平然と起こり続けていて、多くの人にはそれを考える余裕はなく、自分の視野の中で何とか幸せでいようともがくしかない。

抑えようのない欲望やエゴを罷り通すために神という存在だけでなく、他者の慈愛や慈悲や悲哀を利用すること、それに何の罪も感じなくなることは、感情を持った生き物のやることとは思えない。同時に、人間とは救いようのない業を背負った生き物なんだと認めざるを得ない。
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