LilyElliot

最後の決闘裁判のLilyElliotのレビュー・感想・評価

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)
3.7
邦題がダサ過ぎてスルーしていたが、グラディエーター並みのカタルシス爆発系超名作かもしれないと観始めたら、まったく違った。

マット・デイモンの風貌は若干ラッセル・クロウ気味ではあったものの、終始重く、昨今改めてフィーチャーされ気味な羅生門スタイルを基礎に、本作の方が先の公開だが是枝監督の怪物の主要テーマに重なる部分もあった。

誰だって自分がかわいいから、自分に都合の良いように、意識的にせよ無意識的にせよ、事実や会話や空間を捻じ曲げてしまう。

14世紀なら今では考えられないアレコレも罷り通ってたから、現代の頭で考えたところで畑違いな批判も多く、それ自体がミイラ取りがミイラになる構図なわけで、正に最後の決闘の大虚無感に繋がるわけで、そういうわけで現代人の教訓にもなるわけで。

「マルグリートの真実においても、彼女はジャック・ル・グリに好意を寄せているように見える」とか「ジャック・ル・グリがかわいそう過ぎる」とか、いや、正に、思う壺だよ、と。

どんな風に過ごそうが、どんな風にカルチャーやエンタメや芸術を楽しもうが、そんなものは人それぞれで良いのだけど、平常と言われる思考能力を持った状態であれば、あまりにも稚拙で、偏っていて、頭の悪い意見をオープンに垂れ流すのは、ポイ捨てと同罪だ。つまり、人間としての罪であり恥であると認識すべきだと思うし、1人でも多くの罪人に改心して欲しいと思う。
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