それなりの期待を持っていたが、その期待を超えることはなかった。
2002年の出来事とはいえ、映画公開は2023年なので、もう少し画に力が欲しかった。時代に忠実にリアリティを高めたかったのかもしれないが、画と演技のクオリティまで平成にダウングレードすることはないでしょ。幼少期に観たあぶない刑事みたいな、ああいうやや古ぼけた品質を感じてしまった。
多少の脚色があるとはいえ、大筋はノンフィクションであることを踏まえると、ストーリーは悪くなかったように思う。ただ、サイドストーリーの絡ませ方はあまり有用性を感じなかったし、敢えて大袈裟にしない演出があまりハマっていなかった印象。
キャスト陣に関しては、東出は上々だったと思うし、吹越満はめちゃくちゃ良かったが、三浦貴大がだいぶよろしくなかった。この演技力はけっこう厳しいように思うがどうなんだろう。
多くのことに言えるけど、ハードを作った人を叩きのめすって、凄いことだよな。それの扱い方の正当性や責任は一旦放っておいて、何てもん作ったんやワレ、だもんな。
矛先をどこに向けたらいいかよくわからないのでとりあえず製作者潰しときます、だと革新と発展は険しい。