結湖

スポットライト 世紀のスクープの結湖のレビュー・感想・評価

4.0
とても面白かったが、とても辟易する映画だった。
これが実話だってのは知ってたけど。
毎回、見に行く映画が実話だと知るとWikiってしまうんですが、今回は「神父の児童への性的虐待を暴いた新聞社の話」という、薄ぼんやりとした情報で見に行きました。
実際はそんな生易しいもんじゃなかった。どんどんわかってくる事実にうへぇ~ってなる。(というか、この事実はを私はほどんど知らなかった。己の無知さに落胆しました。)
この事件を細かく知らないなら、そのほうがいいかもしれません。映画自体の面白さにもつながっている構成になっています。不本意なことに。
というのも、記者たちの賢明で地道な取材で明らかになっていく事実を、ともに驚きながら知ることができるからです。
中でも、マイケル・レゼンデス(マーク・ラファロ)が事実を知り、その怒りを爆発させるシーンは胸を打ちます。
ウォルター・“ロビー”・ロビンソン(マイケル・キートン)が情熱を秘め、冷静に情報を整理し、どう真実をとらえていくかも見どころだと思います。
ただ、情報は膨大で、字幕では追いかけていくだけで必死なところもあります。
カトリック教会が地域にとってどんな存在なのか、ぐらいは知っておいたほうがいいかもしれません。

昔に聞いた話なのでソースは不明ですが、アメリカに「道徳」の授業はないんだそうです。どこで道徳を学ぶかといえば、「教会」なんだとか。
エンドロールの直前、この物語の顛末を伝える、あの都市名の羅列。ゾッとしました。
それだけ子供たちに影響を与える教会の真実の姿がこれほど歪んでいるなんて、とても見るに耐えません。
面白かったけど、素直に面白かったとは言いたくない映画でした。
2016/04/15:TOHOシネマズ新居浜(字幕)
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