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いつだってやめられる 7人の危ない教授たちのKHのレビュー・感想・評価

3.3
年間映画ノルマ60本を掲げ、
8月に子供が産まれてから鬼滅を見たきりほとんど映画を見ておらず、掲げたノルマ非達となりそうな気さえしていたが、
調べてみたらノルマ達成まで残り後5本とわかったので、
多少の徹夜を覚悟してでも達成してやろうと思い、とりあえずネトフリザッピングを始める。
そこへ丁度いい感じに三部作?と言うよりは、3まである今作へたどり着いた。
あまり馴染みのないイタリア映画。おまけに犯罪コメディジャンルともなれば、久々すぎるレビューのリハビリとしては丁度いいと思い視聴させてもらいました。


とりあえず例によってここから多少のネタバレがありますので、まだ見てない方は注意してください。


内容としては、どこか既視感あると言うか、まるでハングオーバーというか、オーシャンズ11というか、ブレイキングバッドというか、それら全てを融合させたカルピスを水で薄めた様な作品でした。
そう聞くと、つまりはつまらないってこと?となりそうですが、必ずしもそうではない。

まずはそれぞれのキャラクターがとても際立ってて単純に好きになった。少しばかり人数が多くぶっちゃけ名前もあまり覚えられない。
とか、コイツは果たしてなんの役に立ったんだ?と思いたくなるが、
そもそも陰キャのインテリが貧乏脱却のために合法ドラッグ商売を始めるってだけで、真面目が故のドタバタなんかは予想できたが、それがなんとも可愛いし、陰キャ特有の、知識での舌戦なんかは早口過ぎるし、単語のほとんどが何を言ってるのかわからないが、そこも今作の特徴の一つなんだと思う。
急に金持ちになって、急にモテるもんだからその調子の乗りようは、突然注目を浴び天狗になってしまった子供と同じ様に、
それが崩壊へ向かっていくのが概要を読んだだけでもわかってくる展開はある種のコメディとしての王道というか、
むしろそこに既視感があったのかもしれない。

インテリ語の言い合いなんかは見てて意味はわからなくても、
「こいつらは、これだからダメなんだけど、これだから良い」
とさえ思えてくるのは見てて新しい気持ちもしました。

しかしながら話の道筋やラストの敵のボスを出し抜くオチに関しては、はっきり言ってなんじゃそれ?と言わざるを得ない。
イタリアの情勢なんかを知らないので、え?そーなん?と思ってしまったが、そもそも学位のある優秀な人材が、なぜかスタンドや皿洗いをしている点。
これはある意味このスマホが普及してる時代にもはや学位なんかは意味をなさないというアンチテーゼなのかな?と思えてくるレベル。大学の偉い奴も、上手いこと言って出世しか考えてないクズだし、塾?と言うのか?学生達は勉強もせずに、クラブやマリファナをやってるし、
そいつらよりも、本来優秀なのに貧しい生活をしているインテリ達が成り上がる話自体に若干の矛盾と疑問があった。

日本ではむしろ逆で、学のあるインテリが、不真面目な馬鹿を虐げてる構図がちゃんと理解出来るから内容がスッと入ってくるが、
これはイタリアだからなのか。それとも単にそうゆうストーリーにしたのかはもう少し勉強が必要なのかなと思った。

さらにラストの敵ボスを出し抜く方法だが、そこはやはり、インテリオタクの知識の結晶たるオチが用意されてると思いきや、

なんてことない子供でも思いつきそうな手品のトリックに、逆に思いつかなかったというレベルでした。

評価としてはまぁ、それでも愛されるキャラと、話の単純さでそこそこ楽しめましたといった感じです。
この作品が3まであるということは色んなところでそれなりに評価されている秘密がむしろあるのか?と思い、続編も見てみようと思いました。

タイトルの

『いつだってやめられる』

は、逆に

『そうは言っても、なかなかやめられない』

とも取れるし、作品ともあっててなかなか上手い邦題にしたなーと思いました。
興味ある方、Netflixに入ってる方は是非見てみてください。
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