るる

マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章のるるのネタバレレビュー・内容・結末

3.2

このレビューはネタバレを含みます

特別面白いわけじゃないけど、好きなんだなあ。

前作のほうがやっぱり好き。キャラクターのその後を描いた内容で、前作に、というより、前作のキャラクターに愛着がないと厳しいかも。

しかし、この、決してキャラクターの過去を回想して掘り下げたりしない姿勢が新鮮で、それが作品のテーマと合致していて、好き。

ストーリーで魅せるというより、群像劇かくあるべしというつくり、ドタバタコメディという感じ、ちょっとシェイクスピアっぽい。

ビル・ナイをもっとじっくり見たかった。なんて愛すべきおじいちゃんなんだ〜 対するジュディ・デンチの才気あふれる老女っぷりが素敵…これが20代〜40代の恋愛事情だったら男のほうが見劣りしたと思うんだけど、なんだろうな、この老いてこその愛嬌…

ジュディ・デンチとペネロープ・ウィルソンの対峙…離婚予定の妻と夫の新しい恋人候補が話す…こういうところ、誠実な脚本だなと思うんだ。

豪華な結婚式〜 前作ではお葬式だったんだよね〜 相変わらず観光映画要素たっぷり。でもよりディープに。豪華に。

やっぱりあのパレードの派手さはインドムービーならではの妙味というか、圧倒されるよね…そこにマギー・スミスのナレーションが重なるあたり、ぐっときた。

なんとも色鮮やかで美しい。間違いなく、ここがこの映画の主題。

イギリスの名優たちがマサラムービーに参加しているようなお祭り感を味わえたのが楽しい。

そしてマギー・スミスが華麗に全てを持っていく…

うーん、ちょっと終盤にかけて駆け足で、モヤっとしたかな。クラブ買収の伏線はもうひとつくらい欲しかった。

群像劇だからだけど、どうも、クライマックスにかけてシーンの振り幅が大きくなっていって、(音楽のボリュームが気になった)ハッピー!大団円!という気持ちにはなれなかった。かといって人生の盛りを謳歌する若者と人生の幕引きに際した老女の対比にも、なりきってないというか…

融資会社の責任者がわざわざやってくる展開、ちょっと唐突で御都合主義な感じがした。リチャード・ギアは査定人としてちゃんと仕事をした…ということ?

ラストもそう終わるか〜…みたいな。泣かせにかからないあたり好感はもったけど。

インドの人々との交流がより深く描かれてたのは、本当に良かったな。

若者にバトンを繋ぐ内容で、良かった…人生まだまだこれから、という余韻を感じさせた。

でもやっぱり、せっかくなので、三部作にしていただきたい…もう一度、この豪華俳優陣を堪能したいという気持ちになった。

ジュディ・デンチからマギー・スミスへの「消えないでね」という台詞が、切ない。

字幕と吹き替え、合わせて見て、ようやく内容理解した…かな? 俳優が繊細な芝居をしていて、表情で語ってる部分が多く、翻訳は吹き替えのほうがわかりやすかったけど、声優の演技はちょっと過剰でちぐはぐに感じる部分が多かったかな。難しいね。
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