ふっくー

シン・ゴジラのふっくーのレビュー・感想・評価

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
4.5
ハリウッド版「GODGILLA」がゴジラの脅威から逃げ惑う人間たちの恐怖と家族愛を中心としたシリアスドラマに対抗したかのように、今回の本家日本版ゴジラはシリアス路線であり、政治的映画となっています。

逃げ惑う人間たちにはスポットは当たっておらず、政治家たちがゴジラから国を守るため、色々な手段を使って戦うドラマが中心に描かれます。

日本では12年振りの最新作となったゴジラですが、正直「平成ゴジラ」はキッズ映画を意識して作られていたので、好みが分かれるかと思います。
しかし!今回は子供には難しいけど、大人には胸熱くなる内容であり、完全に昭和ゴジラの1作目に近い作風となっています。

日本のゴジラ映画では初のフルCGゴジラとなりましたが、全然違和感なかったですね。新作ごとにデザインが異なるゴジラの造形ですが、今回最高に良かったよ!!

日本に侵略してくるゴジラ=恐怖
という存在が全面に押し出されていて、なんと言っても感情の感じられない眼が本当に恐ろしい。尻尾も今までで1番長いんじゃないでしょうか。ゴジラといえば放射熱線ですが、熱線を吐くときに下顎が左右に裂ける化け物じみた禍々しさ。

タイトルの「シン・ゴジラ」
これはまさしく、誰も見たこともない新しい「新・ゴジラ」とゆう意味と、全生物の頂点に君臨する神の化身「神・ゴジラ」と2つの意味を込めたカタカナ表記であると思う。

政治家と、専門学者の早口でモゴモゴ話すシーンは聞き取れないこともあったけど、そもそも聞き取らせる前提で話していない感じでサラッと聞いていればいい。みたいな感じがしましたね。これは物語にあまり影響は無いので全然大丈夫です。
ちょくちょく「えっ?動くの?」「そりゃ生き物だからな」とかちょっとした会話の中でクスリと笑える場面もあり、面白い。
政治家の各国の対応とか、世間の反応とか、経済損出とか色んなことを気にする物たちの中でも、ゴジラに必ず勝つという強い信念を持った者や、市民の安全確保が最優先とする者などもいて、非常に人間味あふれています。

ラストのJR線の無人爆弾には笑いました。
オキシジェンデストロイヤーではなく、在来線なの胸熱すぎるでしょ。
作戦が成功した後の停止したゴジラを下から上まで映し出すカメラワークはどこか意味深でゾワゾワしますね。あの尻尾の第五形態は何を意味するのだろうか。
そして完全にBGMやら作戦名やら場面場面の感じがエヴァンゲリオンで笑えます。

シリアス路線で構築されたゴジラ!
あのお馴染みの音楽、咆哮を是非劇場の大画面と音響で味わって頂きたいです!!
ふっくー

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