結湖

シン・ゴジラの結湖のレビュー・感想・評価

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
4.6
特に期待をしてなかった庵野版、ゴジラ。
庵野監督、早くエヴァを終わらせてくれよ、なんだよ、ゴジラって!そんなのやってる場合かよ……って、思ってました。観るまでは。
なんだよ、これ!なんだよ、これ!!天才かよ、庵野秀明!!
結末に向けてボルテージが上がりまくり、うおおおおお!って手に汗握りまくりでした。
そもそも、庵野監督は特撮大好きな人でもあるし、本家本元である東宝がゴジラをやるからには、この前にやったレジェンダリー版ゴジラを超えるものにしなければやる意味がないとも思ってたので、ストーリーはともかく特撮は気合入れてるんだろうなって思ってたけど、すごすぎるだろう、これ。
自衛隊を使った戦闘シーンのディティールの細かさはリアルで、さすが庵野監督。この手の映像のかっこよさはアニメも含め、庵野さんの右に出るものはいないと思います。
ストーリーは明らかに第一作目『ゴジラ』の踏襲ではありますが、今、日本に未知の巨大生物が上陸したら、日本政府や自衛隊、そして世界はどう対応するかをリアルに描いたもので、ある意味ディザスタームービーでもあり、劇中にエヴァの音楽を多用していることも含め、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』を彷彿とさせます。
この辺がうまい。庵野監督のしたたかさとお馴染みの自虐さを感じます。なんか、強くなったような気がする、庵野監督。
それはストーリーもそうで、戦後の日本のしたたかさと、どうせ日本人は……っていう、自虐さがあります。
そんな根底にある感情がとても身近でリアルに感じられるので、怒涛のように展開していく会議の数々に飽きることがない。だって、日本人ってこうだもん。
けれど、最後まであきらめない。希望を信じる心が美しいのです。
最後はうまくまとめすぎた感がありますが、これ以上のエンディングはきっと無理だとも思います。
となってくると、次回作を期待(興行収益的にも)してしまいますが、これは作品としてきれいに完結していると思うんで、見てみたいけど、これで完結してるほうがいいなぁ。下手に続編なんか作ったら、駄作になりかねないよ、きっと。
キャストの豪華さまで書き始めたらきりがないので、この辺で終わりますが、あくの強すぎるキャラクターの数々は若干アニメ的でもあるけど、誰一人かぶってくる人がいないのがすごいです。
いやー、面白かった!もう一回見に行ってきます!
あ、蛇足ですが、甥っ子(小1)がどうしても見たいって言ってたので、連れてったんですよ。
聞いてたし、わかってたんだけど、思ってたよりも政治的な会議が多かった(というより、ほとんどそうだった)からか、映画見終わって、帰り道(車で20分くらいかかる)も一言も発せず、面白かった?って聞いたら、うん。とは言ってたけど、つまらなかったかなぁ、トラウマになったらどうしようって思ったりして、ママに聞いたら、その日は頭痛いってそのまま寝ちゃったらしく、あらら、やっぱ難しかったのか~って。
しかし、翌日。甥っ子、朝起きてすぐ、「ゴジラどうなったか知ってる?」ってテンション高めに話始めたらしくって、結果、かなり面白かったみたいです。(情報過多だったようで、消化するのに時間がかかった模様)
子供には難しくてつまらないって、わかりやすいものだけを与えて、なんでも決めつけてしまうのはいかがなものかなぁって思った次第です。
2016/08/19:TOHOシネマズ新居浜(字幕)
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