えむえすぷらす

ドライブ・ハードのえむえすぷらすのレビュー・感想・評価

ドライブ・ハード(2014年製作の映画)
4.5
車の運転トレーニングをやっている元レースドライバーの教官が客に指名されて教習に出た筈が、何故か銀行前に行くように言われて……というオーストラリア映画。何を言っているのか自分でも分からなくなるあらすじ。見たらシンプルなものなのですが。

大変変化球になっていて、ムスタングで暴れ回る要素はゼロとは言いませんがそういう映画ではありません。

強いて言えば「デュー・デート」が一番近いです。ザック・ガリフィアナキスの役をジョン・キューザックが演じているように見ていけば、この作品がかなりブラックなコメディである事が見えてきます。
だから作中の婆ちゃんの乱射や二人を取っ捕まえようとしたガソリンスタンドの兄ちゃん、そして二人を追って来た刑事たちがいろんな事になっても、それはブラックなコメディ映画だからだとしかいいようがないから苦笑するしかない。怒る人いるんだろうな。宣伝もおそらく意図的にズラしてる気配ありますし。
でも元レーサーで自動車教習教官はまずないと思うし、オープニングからして肩に力を入れる気ゼロ明示しているので、そこで気付けよという事かもしれません。

私は本作が好きです。キューザックのケラーには最初イライラしましたが、ああいうエキセントリックスターな演技じゃないと本作では意味がないので最後は納得でした。肩の力を抜いてどう話が転がっていくか楽しむ映画だと思う。

封切り3週間経過で今や全国で5館(他の上映館はもう終わってました)しかやってませんが、もし「デューデート」が案外良かったよという人にはお勧め出来るかもしれません。(ちょっと自信まではないですが)