ベイビー

ゴースト・イン・ザ・シェルのベイビーのネタバレレビュー・内容・結末

3.4

このレビューはネタバレを含みます

押尾守監督の攻殻機動隊が好きだったので、実写化の話を聞いた時は、どの映画にも言える、アニメから実写になった時のアンマッチな違和感が出るんだろうなと思っていましたが、そんなことはありませんでした。

キャスティングて言えば、草薙素子を演じたスカーレット・ヨハンソンもはまり役だったと思いますし、荒巻を演じたビートたけしもアニメとは違ったキレ者で存在感を出しています。

映像やストーリーの方も、質感、世界観共にアニメから離れたものでなく、アニメをリスペクトした気持ちが滲み出ていて、アニメファンを裏切らない内容だと思います。

しかし、総合でみると攻殻機動隊が持つ哲学がアニメと比べて少しマイルドになっていることが個人的には物足りなく感じています。

アニメの攻殻機動隊は、人とプログラムが結婚するという結末を用意することで、ゴーストの意味を考えさせられましたが、実写化のGHOST IN THE SHELLでは、過去の自分を探し続ける。すなわち過去を追うことでゴーストを見つけるという、分かりやすい内容になっています。

何百億も掛けて作る映画なので、万人ウケしなきゃならないのは当然と言えば当然なのですが、この映画で唯一物足りないのは、そういうことかも知れません。

アニメ版の攻殻機動隊を観てからも良し、何も知識のないまま観るも良し、観て損はない映画の一本です。
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