ニューヨーク(原題)の作品情報・感想・評価

「ニューヨーク(原題)」に投稿された感想・評価

ezu

ezuの感想・評価

3.9
英語字幕版にて。
さすがカビール・カーン監督だけあってメッセージ性の強いしっとりしっかりしたストーリーでした。出番は多くはないけどあっという間に惹きつけられるナワーズッディーンさんの演技と役どころが良い。イルファンさん等他キャストも豪華で見応えありました。

もっとこういうインド映画が日本でも上映されればインド映画への考え方も深まるんだろうに。
nori007

nori007の感想・評価

3.5
9.11は世界を一変させてしまった。アラビック、南アジア人は、今でも不当な差別を受けてしまっているし、アフガニスタン紛争、イラク戦争の勃発によって悲しみの連鎖は現在も続いている。
この映画も、前半の回想部分は本当に絵に描いたような青春物である。しかし仲良し三人組は9.11テロをきっかけにそれぞれがばらばらになってしまう。

この時アメリカでは疑わしき、アラビック、南アジア人は、大した証拠もなく不当逮捕、拘留され長い間拷問を受け続けたという。そんな身近なところにも復讐の連鎖が起こってしまっていたのだ。

こうした事実をベースとして作られた話ではあるので、多少大げさな展開はあるものの無くはないとも思えるのだ。ここまでこじれてしまった関係性ははたして修復出来るのだろうか。9.11テロから今年で16年目、世界はナショナリズムが強化されより対立構造が鮮明になってしまったと思うんだが。
「マイネームイズハーン」同様“9.11事件”の時にNYで暮らしていたイスラム教徒のインド人が題材。本作は社会派ドラマでかなり真面目な作り。今までにない視点から9.11事件を扱っている。100%テロリストが悪いと思ってた考えを覆されました。

ストーリー
学生時代に仲の良く人気者だった友達がテロリストの疑いがあり、FBIから情報を流せと“おとり捜査”するよう命令される。あの事件以降連絡を絶ってたが協力しなければ仲間と見なし逮捕。仕方なく数年ぶりに再開するが、彼は主人公が当時好きだった人と結婚して家庭を築いていた。だが、一緒にいると共に彼のテロリストとしての生活を垣間見てしまい…。

あまりにショッキングすぎてどう受け止めていいかわからないです。「考えさせられる」ではなく、私には「考えることが出来ない」。今まではテロリストの気持ちなんて考えたことなかった。もちろんテロは許されることではない。でも“何故テロリストになったのか”、“テロリストにならざるを得なかったのか”。
テロリストにも家族がいて、幸せな人生があったはず。事件以降、何年も、十何年も、政府や世間に人生を狂わされた人が今も存在する。テロリストを作ったのは世間である。私は事件当時小学生なりたて(?)くらいだったからかそんなこと一生知らずに過ごすとこだった。こんな映画がなんで日本に来ないのか理解出来ない…。(「マイネームイズハーン」より1年前だし同じ題材だからだと思うけど)

もちろんドラマとしても素晴らしいです。学生時代に初めて外国へ来た主人公とその2人を絡めながら同時進行。主人公が第三者目線で恋愛要素が邪魔にならない。悲しいことに2人の行く末を見届ける当て馬的存在。
結末も辛すぎて辛すぎて辛すぎて、エンドロールが切なくて切なくて切なくて…。皆、人を殺す為に生まれてきた訳じゃないのにね。この気持ちをぶつけることが出来ないので、2年間放置してたゴミ屋敷ならぬマイルームを無我夢中で掃除しました。

歌も踊りもないし万人にも本当に観てほしい映画。