Ricola

あした晴れるかのRicolaのレビュー・感想・評価

あした晴れるか(1960年製作の映画)
3.7
石原裕次郎演じるカメラマン耕平と、芦川いづみ演じる堅物な社員のみはるのコンビが、東京を駆け巡ってスナップを撮っていく。
この正反対の二人のかけ合いがテンポ良くて面白いのはもちろん、個性的な脇役たちとの絡みがハチャメチャで楽しい作品だった。


トラックの荷台に乗った石原裕次郎の、斬新なオープニングクレジットから、ドタバタ喜劇感を存分に感じられる。

みはるは眼鏡を常にかけていて、いかにもインテリなキャラクターである。
ただ、一瞬だけ眼鏡を外した彼女の素顔を見せるのがいい。

耕平の義理堅い性格と人情深さが、「東京探検」でスナップを撮っていくことで発揮される。
しかしそれが大きな事件に巻き込まれるきっかけにもなってしまう。

とにかくみはるとのちぐはぐなやり取りがおかしいが、情熱的で頑固で曲がったことが嫌いという点で二人は根本的に似ている。
二人とも同時に違うことで叱られて(?)唇を噛みしめて頬をプクッと膨らませるのがかわいい。
また、耕平が喧嘩っ早いのはともかく、冷静沈着なみはるも意外な一面を見せる。嫉妬から相手をまくしたてたり、彼と同様に手まで出ちゃう始末である。

そんなみはるのメンズライクなファッションが可愛すぎる。
ネクタイに茶色のスーツや、柄物のニットなども彼女は着こなしていて、可愛らしさももちろんそこにはある。

意外と脇役の人物同士の関係がつながっていくため、何気に伏線が回収される形でラストへと向かっていくのが、こういったドタバタ喜劇らしからぬまとまりを感じて面白かった。
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