藻類デスモデスムス属

A Film About Coffee ア・フィルム・アバウト・コーヒーの藻類デスモデスムス属のレビュー・感想・評価

4.0
今日も街は朝焼けに煎られている。浅煎りも、深煎りも混在して、しょうがないな、と思う。眠い眼をこすりながら巣から這い出して、雑踏へと踏み込む、満員電車に乗り込む。わざわざ高い圧力に曝されにいく酔狂。たぶんだけれど、わりとたくさんの人が、エスプレッソを探し求めている。自分の中のなにかを抽出して、なにか高いものが産み出せないかな、と。まあ、そう簡単にはいかない。拘るのは疲れる。ドリップコーヒーで満足してもいいんじゃないかな、とも思う。その一方で、誰かに保証してもらいたいというわがまま。産まれてきた時点で誰もが、精選された高品質な実であると。
今日も手応えのない可能性が高い。ほっと息をつきたくなる、だから。たぶんだけれど、わりとたくさんの人が、どこかでコーヒーを手にしている。どこかで確かに、淹れらているエスプレッソ。だから朝は、アロマの香り。