ジャン黒糖

キング・オブ・エジプトのジャン黒糖のレビュー・感想・評価

キング・オブ・エジプト(2016年製作の映画)
2.6
『ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー』鑑賞前にチャドウィック・ボーズマン出演作を観ようと思い、鑑賞した本作。
非常に大味な娯楽作だった!!

序盤30分、展開に次ぐ展開に感情が追いつかない、というより乗らない。笑

それまでは自己中心的で女たらしの自信家であった神ホルスが、父オシリスに次期王位を継承するものとしての責任を問われていた矢先、疎遠になっていた父の弟セトが王位を力ずくで奪いに反乱を起こし、父が命を落としたと思えばホルスも神としての力を奪われ、一方主人公でただの人間であるベックはその反乱によって王族に奪われてしまった恋人ザヤを救いに行こうとするがアレされてしまい、救うためにはホルスの失われた力が必要で、ホルスの力を取り戻すためには各神々のところにいってダンジョンをこなす必要があり…
と忙しなく展開に次ぐ展開の連続で、感情移入する余地がない笑

また、主人公ベックに葛藤がないのも気持ちが乗らないひとつの要因。
彼に与えられる様々な神々の試練に「これは無理だ」と思わせる壁がなく、一瞬止まってはサクサクと進んでしまう笑

そして知恵の神であるトト(よ!チャドウィック・ボーズマン!)によるスフィンクスの謎が出題される場面は、難問というよりただのなぞなぞで、あっさり答えておしまい。なにこれ笑

歩くには時間がない行き先を目指さないといけない場面では、なぜかだいぶ前に死んだネフティスの遣いである鳥が都合よくやってくる。
なんで?笑

セト側についた建築家のおじさんに対して「選ぶ神を間違えたな」「死者の国が飲み込まれたら死後の世界はないぞ」といって突き落としちゃうベック。
え、主人公としてひどくない?笑


あと邦題が微妙。
女たらしで自信家だった神ホルスと、叔父で父オシリスに勘当されていた神セトによる王座をめぐる戦い、という点では間違っていない。
でも主人公はコソ泥をやっていた普通の人間ベックであり、彼の冒険活劇を軸に神々の反乱、争いが描かれ、しかも本作の場合途中で宇宙規模の戦いに発展したりするもんだから、スケールが"キングオブ〜"だとやや弱い。
普通に原題どおり『Gods of Egypt』で良かったのに。


とまぁ、チャドウィック・ボーズマン見たさに見始めたら1人ダラダラとツッコミ入れながらも楽しみました笑
キャストでいうと、
ニコライ・コスター=ワルドーは見終わったあと、彼の独特なセクシーボイスをしばらくモノマネしちゃうくらいにはハマってしまった笑
セトを演じるジェラルド・バトラーはまぁ相変わらずのジェラルド・バトラー力で魅せてくるよな笑
恋人ザヤ演じるコートニーって、あの『マッドマックス怒りのデスロード』に出てたんだな。
主人公ベックを演じた彼は、すみません、感情移入できませんでした…笑
チャドウィック・ボーズマンはちょい役ながらチャドウィック・ボーズマンでした!
ジャン黒糖

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