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64 ロクヨン 前編のbs3のレビュー・感想・評価

64 ロクヨン 前編(2016年製作の映画)
3.9
原作の出来、NHKドラマ版の印象が残っており、さらに前後編なので鑑賞を迷っていた。でも、予想以上に良い出来。不要な説明台詞がないことが心地良い。たくさんの些細なカットに込められた演出意図も過剰感は少なく、後編での伏線回収に期待が高まる。
昭和64年、昭和最後の年。少女が誘拐され、身代金が奪われ、少女は戻ってこなかった。事件の通称は”ロクヨン”。平成14年、時効まで後1年。警察庁長官の視察を機に、”ロクヨン”は動き出す。刑事だった男は広報官として、”ロクヨン”に関わっていく…
前後編とはいえ、映画という時間枠にエピソードを略すこともなく、描いていたことに驚いた。シーンによってはコンパクトに、シーンによっては驚くほどの時間をかけ、様々な人物や物事、出来事を配置していく。それが、物語に厚みを与え、伏線も埋められていく。何より、説明台詞でごまかすことがないことが良い。
演技陣も多様で豪華で、満腹感もある。ただ、見慣れたまたは懐かしい演技陣は、登場人物の多さと複雑さを解消していたように感じた。
見ごたえのある作品。劇場で観ておきたい。
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