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セルのRのネタバレレビュー・内容・結末

セル(2015年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

自宅で友人1人と。

2015年のサバイバル・スリラー。

監督は「ドア・イン・ザ・フロア」のトッド・ウィリアムズ。

あらすじ

ボストンである日、同時刻に携帯電話を使っていた人々が凶暴化し、人々を襲い始める。コミック作家のクレイ(ジョン・キューザック「ブラッド・マネー」)は道中で知り合った電車の運転手のトム(サミュエル・L・ジャクソン「インクレディブル・ファミリー」)と共に別居中の妻子の元に向かおうとする。

Netflixにて。

自分の好きなサバイバルものっていうのと、怪優ジョン・キューザック(といっても今はキャリアが低迷気味だが)とサミュエル・L・ジャクソン共演というので、興味を持ったというのはあるんだけど、それ以上に面白いなと思ったのが「携帯電話を使っていた人が凶暴化」という設定。

まさにスマホが手放せない現代人の病理を突いてるというか、この設定をどう生かせるかが、鍵となるであろう今作、さてレビュー的にはかなり酷評気味だが…。

なるほど、酷評も納得!!特にラストの展開は…という感じ。

ただ、はっきり言って序盤から中盤にかけては割と、というか個人的にはかなり面白かった。

オープニング、空港内のシーン。いかに人々にとって携帯電話が手放せないかを絵として見せつつ、変化は突然としてやってくる!!

一斉に怪電波が発生し、その瞬間携帯電話を使っていた(話していた)人たちは突如凶暴化!!ある人は頭を抱えて、泡を吹き、ある人は包丁で他人を滅多刺しにしたり、壁に頭を打ち付ける、さながら阿鼻叫喚の惨劇の最中、運良く携帯電話のバッテリー切れだった主人公クレイは地下鉄内で知り合った運転手のトムと妻子の元へ向かうことになる。

基本このクレイとトムに加えて、あの傑作「エスター」のイザベル・ファーマン演じるアリスを加えた3人パーティでロードムービー形式で展開していく。

パーティにその他のメンツが加わっては消え、加わっては消えの繰り返しの流れは、なんとなく「ワールド・ウォーZ」を彷彿とさせる(DJリキッドが瞬殺されたのは笑った)

それに加えて、「ワールド・ウォー」と同じく道中、常にゾンビなるぬ狂人たちが付きまとうので、スリリングな感覚は常にあるわけなんだけど、クレイたちはクレイたちで、狂人になったらイコール人間でないという感覚を持ち合わせているらしく、パクった銃器でバンバン撃ち殺したり、動けない狂人たちを焼き払ったりと意外と容赦ないのが面白い。

あと、ゾンビと異なり、この狂人たちの恐ろしいところは携帯電話ならぬバージョンアップをするところ。

初めは「共感覚」を実装しているらしく、意識を共有することでの集団での強みを生かしたスタイルで襲いかかるんだけど、それに加えて音楽が流れたり、常人を狂人の仲間にしてしまう怪電波を口から発したりと進化して、クレイたちを追い詰めていく。

そして、何やら黒幕らしき赤いフードの男も夜な夜な生存者の夢に現れる始末。

次々に仲間が消え、疲弊するクレイたち。果たして妻子の安否は??そもそもの原因は??そして赤いフードの男の正体とは??

はい、全て中途半端ぁー!!ズコー!!

原因自体最後まで不明のままだし、赤いフードの男も幻影のまま…そして最近のサバイバルものではあまり見られなくなった妻子だけでなく、クレイまでもが狂人の仲間入りというまさかのバッドエンドで後味最悪…な一品でした泣。

いやさ、死んじゃうにしても普通に電波塔破壊で一矢報いる展開かと思いきや、まさかの夢オチ、ラストシーンで無表情トボトボエンドだとは…。思わず笑ってしまった。

ただ、クレイと分かれたトムが残りの生存者と生き残れたまま終われたのは心底ホッとした。元々似ているってのはあるけど、今作のサミュエル・L・ジャクソン、格好といい、無精髭といい、うちの親父そっくりなんだよな。だから生き残って良かったー!!

後味最悪だったけど、途中までは楽しめたから、ある程度は楽しめるかもしれません。まぁ後味はもう一度言いますが、後味は最悪ですがね!!
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