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ワンダーウーマンのYMKのレビュー・感想・評価

ワンダーウーマン(2017年製作の映画)
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鑑賞日17.08.26
今回は『ジャスティスの誕生』で終盤、「ああもう、うんざり!」と思ってた矢先に目を覚ます一撃を放ったワンダーウーマンを堪能したい人にはもってこいの作品。あと『ワイルド・スピード』の時からガル・ガドットを応援していた人にとっては満を持しての彼女の主演作。

世間を知らず純真に感情豊かに振る舞う無敵のお嬢様っぷりは、どうしようもないくらい目が離せない。衣装をイギリス仕様に切り替えてドヤ顔したり、ソフトクリームや赤ん坊にメロメロになったりする可愛らしさもダイアナは兼ね備えている。誰だよガル・ガドットに決めたの。最高かよ。

個人的な思い入れはさて置き、この作品はDCEU世界線の第一次世界大戦という舞台で、当時の女性NG社会を狂わせるかのような存在として、ワンダーウーマンというキャラクターを野放しにさせたことに価値がある。予告映像でもお察しのとおり、弾幕地帯に単身乗り込んで敵を怯ませてしまったら、「彼女に続け!!」と鼓舞せざるを得ない。しかしこのセリフ自体、時代を考えれば発せられる事はあり得ないわけで、女性が先頭に立つという強さと価値を訴えるようなセリフに聴こえた。

そんな作品を女性のパティ監督が堂々と手掛け、初主演で兵役経験があるガルを起用するという、女性が世界を救う挑戦を描くにはうってつけの布陣だった。いたずらに女至上主義ではなく、右も左も分からないダイアナをサポートするクリス・パインの存在があるからこそ、男性に対して否定的な印象も与えないようになっている。

冷静に中身を観てしまうと、ディズニー作品で既にありそうなレベルのおとぎ話である。冒頭で触れる神話の話からも、ダイアナ自身もプリンセスという立場からも言える。しかしある意味、DCは“スタイリッシュおとぎ話”だと思っているし、MCUにも言えることだが細かい突っ込みどころを触れるのは野暮な話。これはあくまでもDCEUの世界線。その本格始動を高々に知らせる作品ではないだろうか。
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