わたがし

ワンダーウーマンのわたがしのレビュー・感想・評価

ワンダーウーマン(2017年製作の映画)
5.0
 全体的にはそんなにワクワクしない映画なんだけど、時々完全に理性がぶっ壊れるぐらい泣いてしまう瞬間があった。何十年もわけのわからない差別を受けてきた過去~現在までの全女性達の想い全部ワンダーウーマンが背負って、派手なスローでCGエフェクト感すごい戦場にバーッ!!!って凛々しい顔で突撃しに行く瞬間のエモさと言ったらもう涙で劇場が沈むレベル。
 しかも「女は強いんだぜ!!」の解釈が「女の男化」ではなく「あくまで女として私は強いんだぜ」というニュアンスなのが最高で、戦闘中のワンダーウーマンはめちゃめちゃかっこいいんだけどそれと同じぐらい色気ムンムン(露出多い)で女性としての魅力もガッチリ出していく。そこが怒りのデス・ロードのフュリオサと全然違うところで、本当に本当に心からこういうキャラクターが好きだし、こういうキャラクターに本当の意味での男女平等の本質がある気がする。
 女性監督なのに敵をどんどんぶった切って行く中でスローモーションで揺れる太腿までちゃんとカット割って魅せてくる感じ、そういうニュアンス全部込みであまりのかっこ良さ、女性という生き物の偉大性、自分はなんで男なんかに生まれてきてしまったのだろうというドロドロの後悔が一気に押し寄せてくる感じ。
 ガル・ガドットはとにかく映画に主演するためにこの世に生まれてきたような存在感と顔面力、それプラス大味な芝居も繊細な芝居もシーンに応じて臨機応変にこなしてる器用さがもう恐ろしささえ感じた。あんなアクションしながらこんな小さい芝居までするの????っていうヤバさ。ベイビードライバーのリリー・ジェームズと言い、ガル・ガドットと言い、一体普段から何食べたらこんな存在感を出せるんだろう。
 クリス・パインはいつものっぺりした芝居をしている印象だったのに、今回はなんかベテランコメディ俳優みたいな流暢な芝居をしていてクリス・パインのことかなり好きになった。そして帰りにパイン飴舐めながら帰った。
わたがし

わたがし