わたがし

メン・イン・ブラックのわたがしのレビュー・感想・評価

メン・イン・ブラック(1997年製作の映画)
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 3は劇場で観て昨年3Dで観返すまでしてたのに今回初めて1を観た。ちゃんと面白くて2時間以内で心満ち足りるエンタメでとても楽しかった。
 リック・ベイカーのちゃんと気色の悪いエイリアンの造形とか、こういう禍々しさがすっかり最近のハリウッド映画にはないよなとぼんやり思いながら観た。VFXが全盛じゃない時代のこういうエンタメ映画、内容のユルさに反してカットがキビキビしているのは特撮上リテイクができない(+フィルム撮影の)緊張感みたいなものが確実にあったんだろうな。今後のこういうユルめの大作映画は手直しVFXどころかAI修正も主流になっていって、どんどん画面の緊張感がなくなっていく一方なのではないかと不安になる。内容がユルければユルいほど画は緊張感が必要なのに。
 無鉄砲な若造が秘密組織の一員として青春を塗り替えていくドラマは『キングスマン』に似ているなと思った。こういうストーリーは誰がどう見ても良い塩梅に現実逃避ができて気持ちが良くて「正しい娯楽」だなと思う。秘密組織の一員になるかどうかで日が暮れるまで公園のベンチで悩むウィル・スミスが少し面白かった。
 DVDを再生すると最初の画面でワイドスクリーンかフルスクリーンかで本編の画面サイズ選択できる仕様にちょっと感動した。どちらが監督の意図により近いものかわからないけど、ちゃんと一度は過去に一般公開されていたバージョンとして公式に記録し、残してくれているメディアは本当に偉大。
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