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海賊じいちゃんの贈りもののemilyのレビュー・感想・評価

海賊じいちゃんの贈りもの(2014年製作の映画)
3.5
別居中の夫婦がおじいちゃんの誕生日パーティのために長女9歳と長男6歳、末っ子4歳を連れて、ロンドンからスコットランドへ。道中の相変わらず両親は喧嘩ばかり。別居中であることをみんなには内緒にしておくのだが、夫婦や叔父や叔母達、大人達は自分の事ばかりで相変わらず喧嘩ばかりしている。祖母と子供たちは海辺へドライブ。本日は誕生日パーティで大人たちはいそいそと準備をしている中、子供たちは“ヴァイキングの子孫だ”と告白するおじいちゃんの話に夢中に。しかしそんな楽しい時間もアッという間に終わる悲劇が訪れ、子供たちは思わぬ行動にでる。

子供たちには子供たちの世界観があり、それぞれの特性をしっかり描いており、その世界に大人が足を入れようとすると、子供扱いしすぎてうまくいかなかったり、逆に純粋すぎて大人たちはタジタジになったりして、ブラックよりの笑いを提供してくれる。彼らのピュアな世界と、大人達の自分勝手な事情の世界の対比をしっかりと描く事で、自分自身はどうだろうと観客に問いかけてくる。

子供たちはとにかく純粋に言葉をそのままストレートにとらえる。そのあたりが嫌味なほどに子供なのだ。それが仇になる結果だが、その子供たちの行動により大人達は大事な事に気が付くのだ。ストーリー的にはありがちな家族の修復物語であるが、大人と子供の対比する部分や、子供らしさを逆手にとった笑いや、大人の事情もコミカルに描き、笑いに変えていき、そんなすべてひっくるめて、”ポンコツ”でまとめちゃうところが爽快感があっていい。

スコットランドの壮大な自然に囲まれておじいちゃんが残してくれた最高のギフトは、みんなを笑顔にしてくれた。おじいちゃんのあったかい心がどこまでも音楽と共に響き渡ってる。
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