emily

僕らの青春白書のemilyのレビュー・感想・評価

僕らの青春白書(2014年製作の映画)
3.0
1982年の韓国の忠清南道洪城郡の農業高校に通う不良グループの女ボス ヨンスクは、幼馴染のイケメン ジュンギルが好きだ。不良のクァンシクはヨンスクが好きで、ジョンギルを目の敵にしている。そんなある日ソウルから美人の転校生ソヒがやってきて、ジョンギルは夢中になる。

80年代の青春物語ということで、懐かしの歌謡曲やスロー、任侠映画さながらの演出など、その古さとベタなラブストーリーが、田舎の風景に溶け合い、飽きの来ないテンポよく展開していく。不良同士のオンナをめぐっての激しい喧嘩、女同士の喧嘩、痛みを伴う激しい喧嘩がなんども繰り返される。しかし喧嘩するのは守りたいものがあるから。喧嘩が一番近くにいつもいた存在を気づかせてくれ、本当に大事なものに気がついていくのだ。

ドタバタ劇と茶番の中に終盤はしっかりとドラマを見せ、作品のトーンを変えていく。ベタな展開に大げさなまでコミカルな描写に青春の瑞々しさと痛みがしっかりと交差する。

届きそうで届かない見た目の美しさで好きになったりする年代だけど、やっぱり大事な人はそこにいて、いつも隣にいてその存在に気づくの遅ければ失ってしまう。二人の未来はエンドロールに。青春時代の甘酸っぱさと古びたダサい音楽や描写の仕方がしっかりドラマに繋がっているのがいい。
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