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ゴーストバスターズのNONAMEのレビュー・感想・評価

ゴーストバスターズ(2016年製作の映画)
3.5
『ゴーストバスターズ』は原題も全くもって同じで タイトルの由来は文字通り「ゴースト」を「バスター」しまくる完璧な題名だ。これはまさにパーフェクトなタイトルで 『デス・レース2000』や『食人族』や『ロボコップ』に匹敵する伝統的な やり方のひとつで タイトルだけで映画の内容を意図するものだ。こうやって意図的にオールドスクールなオリジナル版の題名を全く躊躇なしに流用していることから 『ゴーストバスターズ』の製作者たちの(配給会社からの意図もあるかもしれない)ジャンル映画愛が浮かび上がってくる。ありきたりなプロットも 俗っぽい題名も 当然のことながら「わかってやっている」と思う。

そして実際 『ゴーストバスターズ』は嬉しい驚きに満ちた映画だ。冒頭から あまりにも当たり前のタイミングでオリジナル版1作目のオマージュなのだが 実に食えない。いまどき信じられないぐらいベタなオリジナル版へのオマージュだが 劇中の冒頭に持ってくることで観る側を油断させようとしている。ベタなオリジナル版へのオマージュと言ったが かつての いや ここ数年のリメイク/リブート映画のオマージュ演出はどれも似たようなものだったし それをリスペクトとしてではなく堂々とあえてやっているところには好感が持てる。
いや 『ゴーストバスターズ』はリスペクトやオマージュだけじゃない。純粋に映画ファンを笑わせようとするネタも満載で ライブ会場でのオジー・オズボーンや『シャイニング』ネタやエンド・クレジットでの『トロピック・サンダー』ネタなど…といって別に『ゴーストバスターズ』はオタク的にオマージュを列挙しただけの映画ではない。さまざまな映画から引用しつつ 単なるパロディに終わらせることなくきちんと消化できている。ここ数年 多くのリメイク/リブートを担当する作家が同じようなことを試みて無残に失敗していることを考えると これは驚くべきことだ。

本当に 全編にあふれる『ゴーストバスターズ』愛には本当に本当に驚かされる。ある意味 オリジナル版2作のスピン・オフと言って過言じゃない。ラストバトルの凄まじさでは本家に遠く及ばないが 作り手の愛はしっかり伝わった。たいして活躍はしないが ヘルプであの人達もやってきます。って やっぱりどこまでいっても『ゴーストバスターズ』じゃん!



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