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クロール ー凶暴領域ーのNONAMEのレビュー・感想・評価

クロール ー凶暴領域ー(2019年製作の映画)
3.4
デヴィッド・R・エリスの大ヒット『デッドコースター/ファイナル・デスティネーション2』や同じくエリスの『スネーク・フライト』みたいなストレートなパニック/アニマル物を期待すると アテが外れる。だがまったく意外な路線というわけでもないのである。
『スパイダーマン』の…… じゃなくて…… 『死霊のはらわた』のサム・ライミをプロデューサーを迎えた 映画的にはまさにライミがフェデ・アルバレスと組んだ2016年の『ドント・ブリーズ』のソリッド・ホラーさとアジャ特有の暴力性が融合された理想的な仕上がりなっている。そこには近年のアジャらしい小綺麗な大衆映画テイストが振りまかれ ゲテモノ・ジャンルをミッドナイト・シアターで楽しむ熱狂というよりは 『ジョーズ』をホーム・シアターで楽しむような まさにアメリカンなファミリーホラーな映画だ。確かにこの路線は二人の近年の活動を思えば なんら不思議ではない。
とはいえライミが参加していれば『スペル』や『死霊のはらわた』的のあのスプラッター表現が全面的にフィーチャーされるのを期待するのが人情で(まぁ これでも十分ですが) その点で彼らならでは記名性は薄い。ワニ以外も平凡だし せっかくのアジャの久々の新作にもかかわらずライミの名前ばかりプッシュされ日本国内でのプロモーションも散漫。せっかくの二人の共演がこれでいいのかなと首をかしげてしまう。
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