NONAME

ブライトバーン/恐怖の拡散者のNONAMEのレビュー・感想・評価

3.3
今日 今現在残りわずかな時間でレヴューするのをジェームズ・ガン×デヴィッド・ヤロヴェスキーの『ブライトバーン/恐怖の拡散者』にすべきか サム・ライミ×アレクサンドル・アジャの『クロール』すべきかで迷いに迷った。この二つの作品には 本当に共通点が多い。70’〜80’Sジャンル映画賛歌/グラインドハウス・ルネッサンスとでも言うべき 洗練されたオーソドックスなZ級ムービーの安定さに ちょっとひねったユーモア。ライミ×アジャの方が芸は達者 ガン×ヤロヴェスキーの方が馬鹿っぽい。本国アメリカでの状況は ネームバリューからいってもおそらくライミ×アジャに軍配が上がってるだろう。となると なんかガン×ヤロヴェスキーの方が好きになってんだよなぁ。駄目だ 俺。数ヶ月前 YouTubeで初めて海外版予告編を観た時に僕の頭の中で浮かんだコピーは「『スーパーマン』よりはマヌケなヒーロー・スーツを着込んだ『スーパー!』。『オーメン』よりは『シャイニング』の出会い」というものだった。その時の印象は昨今の日本映画にありがちな原作漫画やアニメがベースになっているサイキック何ちゃら類のキャッチ・コピーが付いている『●●●●●』や『✖︎✖︎✖︎✖︎✖︎✖︎✖︎✖︎』の様な想定内の残念な出来栄えだと感じずにいられなかった。 だが 後日 初めて本編を通して観たら 男気バッチリのゴア描写 そしてサイコパス少年ブランドンのキャラ設定もホラー映画の立派なスラッシャーで本格派。「どうしたって こりゃあ 70年代イタリアン・ホラーだろうがよ」というシーン(でも これが最高なんだ!)まである。つまり どこかアイデンティティに迷いがあるわけだが(こっちのね)そこが本作の魅力になっている。軽い不安にかられたB〜Z級映画好きなエモーションをどうにも刺激するのだ。高校生に戻りたい。
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