ぬーたん

サウスポーのぬーたんのレビュー・感想・評価

サウスポー(2015年製作の映画)
4.4
スポーツドラマは好きだけど、ボクシングは好きでない。だって、殴り合いヤダ。血だらけの顔を観るのは勘弁‥ということで塩漬けにしてた今作、主演がジェイクだしやっぱ観ておこう、と。
結果、確かに血だらけだし、目が大変なことになってるし!
でも、最高に好きな作品だったよ。
ジェイク・ギレンホール主演というだけで観たいと思わせる、凄い俳優に成長したなあ。そう思わせる俳優は、私には両手の指で数えられるほどしか居ない。
まあ、がっかりする作品もあるけど、ジェイクの演技にがっかりすることは皆無だから。
今回はボクサー、それもチャンピオンという設定で、いきなり、スンゴイ鍛えた体で登場。
合成かと思えるほどの胸板の厚さと、モリモリ筋肉。
『ナイトクローラー』の後、6か月間の厳しいトレーニングで肉体改造とボクシングのノウハウを身につけたとか。
さすが、ジェイクだわ~。ストイック。
奥さん役はレイチェル・マクアダムス。
綺麗で家族愛があるが気が強い、という印象の役。
『きみに読む物語』から15年、今は40歳という彼女、お母さん役は早いと思う位まだ若々しい。童顔なのかな。
コーチ役はフォレスト・ウィテカー。
最近は多くの作品に出演、引っ張りだこの脇役。
こりすのようなお目目は、今作では片目が曇っているよ。
内に秘めた優しさと情熱は、やっぱりこの方にピッタリの役。
そしてナオミ・ハリス。
同年のジェイク主演作『雨の日は~』では妻役だった。
そういえば、その後の展開や、それによって起こる夫ジェイクの変化なども今作と似てる!
あちらはちょっと異常だったけど。
メインズ役のカーティス・”50セント”・ジャクソンが何だか迫力あって怖いなあと観てたら、Wikiを観てビックリ。本当に怖いや。
レイラ役の子役ウーナ・ローレンスは芸達者だけど、あんまり可愛いとは言えない。ラストは可愛く見えて来たけどね。
観ているうちにこの設定、何処かで観たかも?と記憶を辿ったら『チャンプ』に似てる、あちらは息子だったなあ。
いつか再鑑賞したい。
ストーリー展開は至って王道で、ベッタベタな作り。
まあ、そうでなきゃ感動しないしね。
施設で育ったということから子供時代も辛かったと予想すると、その人生をグラフ化したら、とんでもない山と谷の曲線が出来そう。
落ちる時は自力ではどうしようもないし運とか他からの力や色々要因があるけども、上がる時は自分自身の努力なしでは無理。
人生は不条理なことばかり、とも思う。
お金にならないとサッと散ってしまう取り巻きが沢山居る中で、辛い時にこそ傍で支えてくれる大切なものや人が分かるし、どん底からの経験が自分を変えるのも確かだろうけど、やっぱりそういう辛い経験はないに越したことはないよね。
さて、ボクシングシーンは直視出来ないほどの血が飛んでいて、臨場感があって、リアルだった。
こういうの、あんまり好みでないんだよね、と思いつつ、チャリティーボクシングの試合辺りから、何だかボロボロ泣けて来た。
ジェイクの演技にヤラレたかな…。
あっさりラストもいいね。
王道だけど、やっぱり感動の作品だった。
素晴らしい。
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