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ウイークエンドのmfgのネタバレレビュー・内容・結末

ウイークエンド(1967年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

「ウイークエンド」①

“宇宙にさまよった映画”
“鉄屑から見つかった映画”

ゴダールの独創的魅力…病みつき感…最高…!
(初っ端から漂うcrazy感(…そしてcrazyでありながらどこか哲学的な…?深みがあるような…?社内啓蒙的な…?思想がある感じ…?(…でありながら人間の動物的本能剥き出し感もあり…?本音と建前などなく感情顕にしまくり))/映像美 色彩美 etc…とにかくなんか芸術的/鮮烈で意味深で洗練された詩のような…小説のような…etc…とにかくハマるセリフの数々/最高の異様さ/ダークファンタジー感/強烈でありながらさりげなく…的な…?/(いい意味で)消化不良を起こすほど大満足な満腹感…余韻残りまくり感…?/etc…とにかくツボ!ハマる!とにかく好き!)

不倫女×不倫男
不倫女
(ご亭主と父親を事故死させる計画(車のブレーキの故障には気づいていない/女自身は風邪を引いたことにして車に乗らない/(先週の日曜日も(交差点で7人死亡→“そうなるといい”)、計画中まさにその時も車がらみの事故)/夫は妙な目で不倫男見てる…?不倫女が時々セックスしてるから愛してると思ってる…?)
不倫男
(“車をぶつけられた男が相手を殴った 死んだかと思った あれが女房だったらな”/“睡眠薬とガスで失敗してから女房は用心深くなってる”/“まずは父親が死んで女房が遺産をを手にしてからだ”/)

“君は最高のメス犬だ”

月曜日(秘密の会合)/火曜日(プールのあと)/水曜日(ピルをやめた)



“分析”
まるで官能小説のような情事の詳述
(車でペッティング/お尻/ウイスキーの残りは背中に/3P/男はあそこをミルクに浸し 女のお尻の割れ目に卵を突っ込む/etc…/(事実か悪夢かは分からない…興奮させることが至上命題…?))
愛煙するのはアメリカ煙草(“ジターヌ(=ジタン(Gitanes))”は大嫌い)



“土曜日 午前10時”

“ポンコツのファセル”
(8805ナンバー)



“パリの日常風景”

ちょっとした車両接触事故
五月蠅いガキンチョ→ママ(テニスラケットとテニスボールで応戦)→パパ(猟銃で応戦)
口汚い言葉
ブルジョワvs.コミュニスト(=共産主義)




“ウイークエンド 土曜 午前11時”

渋滞
鳴り止まぬクラクション
渋滞をやり過ごす人々のそれぞれ
(車内待機/クラクション鳴らしまくり/外出/トランク/ボール遊び/ひっくり返った車/文句の付け合い 揉め合い/動物たちを乗せたトラック/子どもたちの歌声/バス/馬車/木に衝突した車/ボール遊び/Shell/…と真正面から向き合う逆走車/ひっくり返った車/路上でピクニックしちゃう老夫婦/ヨット牽引車/この際車両点検/etc…)

“13時40分”
“ウイークエンド”
“14時10分”

事故現場…複数車が大破 死体ゴロゴロ 道路血だらけ



“日本製の録音機”
不倫女
(“5年間土曜日ごとに食事に毒を混ぜてきた”/“あの事故車が両親の車だったらね”)



“階級闘争”

血みどろ事故車両
ブルジョワ口悪トライアンフ女vs.貧困階級トラクター男
(&傍観者(…というか野次馬))
→和解…?(敵の敵は敵的な…?/“マルクスいわく“人類は兄弟だ””とユダヤ人批判)



“ニセ写真”
(“階級闘争”の演者勢揃いにて)



“9525…KMH”

急がば回れ
文明はいつ始まったかについて
“マルクスいわく“人類は兄弟だ””について
(←“(マルクスではなく)別のコミュニスト イエスだ”)



“土曜日 15時”
“土曜日 16時”

襲われたら齧り付いたり威嚇したりして反撃

“9528…KMH”

雨の気配



“土曜日 17時”

土砂降りの中で車両事故に遭遇
女を乗せるかどうかは品定めした上で合否決定
→否
→男が出てきて木の枝でぶっ叩くわ拳銃ぶっ放すわでカージャック



“「皆殺しの天使」”

警察や公安に対抗するための証拠写真撮影
カージャック状況にて対向車に助けを求めるも
正式な夫婦(カージャック男×女)vs.内縁関係(不倫男×不倫女)
人間は“自分が誰か知らない”
(→自分がほんとうは何者かを知るためには正しい知識 信仰心に基づいた仏法真理の学習が必要(そして人間は神の子 仏の子!))
“キリスト教は自己認識を拒む 言語の死だ”
“ブルトンの遺体搬送を拒んだ運送人(=ウスノロ)”
カージャック男
(自称“神の息子”であり“神”(“老いぼれのオカマの神がデュマに生ませた息子が俺”“つまり神とは俺だ”/“俺は神だ 怠惰だから”)/仕事は“現代に文法の終わりを告げに来た”者(“あらゆる分野 特に映画のにもううんざりだ”だそうで…))
自称“神”の要求
(“ロンドンまで送ってくれたら何でも望みを叶える”)
→奇跡の実証…?
(車内から突然現れる奇跡のウサギ…?)
…からの俗物的欲望に塗れた不倫男と不倫女の望み
(ベンツのスポーツタイプ/サンロランのドレス/マイアミのホテル/本物のブロンドヘア/最新型の戦闘機(ユダヤがアラブを追い払ったやつ)/ジェームズ・ボンドと週末)
(→“本当にそれが望みか?”/“哀れな奴ら お前たちには何もやらん”/“(“奇跡を見せなさいよ!”と不倫女に拳銃で脅されても)バカどもに見せるものか”)
←(エセ自称神を肯定するわけじゃないけど…)真の神も頷き あまりの愚かさに呆れ果てるのでは…?
カージャック男女vs.不倫男女
(in 事故車の墓場みたいな…?→羊の群れの中…平和の象徴である羊に塗れて命のやりとり)



“9572…KMH”
あらゆるものをクラクションを鳴らして蹴散らす走行(自転車も 他車両も 通行人も 鶏も…)…そして車両炎上事故…(不倫女の“エルメスのバッグ”への執着)


“フランス革命からウイークエンドへ”

時代錯誤的な…?共産主義的な訴え…?
(“自由とは暴力なり”/“自由とは悪徳の美徳なるが如し”/“人間は社会を構築して幸福かつ理性的になったか?違う!人間はむしろ休息に倦み 自然の英知に倦み ひらすらに貧困と狂気を求めた”“人間が築き上げた諸々の体制はカネと傲慢と血にまみれている”(カメラ目線にて)/“もはや存在しない 温和な人間性や公正な節度という社会契約の基礎となるものは”/etc…)
(←それに対し全くの無視を貫く不倫男女…笑))




“日曜日”
“月曜物語”
“日曜日”
“日曜日”

♪“むなしく君を呼ぶ”リピート
黄色の電話ボックスの中(=“ガラスの檻の中”)で愛の詞を唄う色男
…からの激しく泥臭いfight
(愛車は日本車(部品はポルシェ)/不倫女の乗車は許諾 不倫男は乗車NGな色男vs.ほぼカージャック不倫男女)





炎上する多数の事故車と死傷者(←“みんなくたばってる”)

森の小路のファンタジーな2人組
(不思議ちゃん系お嬢さん×詩人…?(手の甲にカンペ…?))



“ルイス・キャロルの方へ”

“哀れな小石”に対する深い洞察
草は“ポア・ネモラリス”/栗の葉は“カスタネア・サティヴァ”
難問①(猫について:1.魚の好きな猫はしつけが簡単/2.尻尾のない猫はゴリラと遊ばない/3.ヒゲのある猫は魚が好き/4.緑の瞳の猫はしつけにくい/5.ヒゲのある猫は尻尾がない)
難問②(魚について:1.サメは武装に自信がある/2.メヌエットを踊れない魚は軽蔑される/3.三枚歯のない魚は武装に自信がない/4.サメ以外の魚は子供に優しい/5.太った魚はメヌエットを踊れない/6.三枚歯を持つ魚は軽蔑に値しない)

“哀れなBB 対 映画興業者”

“これは小説じゃない 映画よ 人生よ”
“花を炎で包め”→不思議ちゃんのドレスに火を点けて焼殺
(不倫女:“哲学者でも人を焼く権利はないのに”→不倫男:“どうせ架空の人物だ”/不倫女:“じゃ なぜ泣くの?”“私たちは?結局同じよ”)
燃えゆく不思議ちゃんの焼殺体を前に淡々と詩(非資本主義チック…?)を語り続ける…



“百年戦争のある火曜日”

無知の知
(“我々は無知だ”/“自分たちの本性について完ぺきに無知だわ”/“ミミズについて無知なのと同じくらい”/“両方とも“謎”よ”/“反論する者は無知の中の無知だ”(×2))
血みどろ事故車から追い剥ぎ…?(ジャケットを拝借しちゃう不倫男/事故被害者から“ステキなジーンズ”を引っぺがし、それを着用しようとする不倫女)
今日で4日(木曜日)
不倫男女の算段
(“親父は死んだな 遅くとも月曜日には”/“義母は怒るぞ”/“ママは遺言を書き換えてるわ 独り占めする気よ”→“拷問で気を変えさせるさ(アルジェリア戦争で覚えた)”)
通りがかりのトラックへのえげつないM字開脚ヒッチハイク
(道路に寝転び…ヒザを立て…股を開き…)
→成功(条件:音楽会の準備を手伝うこと)
(なお 不倫男女は勿論 通りがかりのトラックも血みどろ事故車とその被害者には無関心)






“アクション・ミュージカル”

まさに宝の持ち腐れというか…?豚に真珠というか…?馬の耳に念仏というか…?

音楽についてのご立派な講釈
“PIANOS BECHSTEIN”のロゴが刻まれたご立派なピアノ
美しいピアノ伴奏
あまりにも不釣り合いな場所
あまりにも無感動な聴衆

伴奏者もまた癖あり…?
(聴衆の反応など意にも介さず 自身のこだわりのみに執着…?ナルシシズム…?講釈たれまくって 挙句の果てに自己卑下…)

不思議空間感…
(音楽を愛し 酔いしれ 音楽を語り ピアノを伴奏しつづける伴奏者/それにただ黙って寄り添い 楽譜をめくる女/無関心な農場労働者男たち/大欠伸の不倫男と “すてき”との不倫女/距離を置いて聴く3人の農場労働者女性たち/訪れたブルジョワぽい男女(女は音楽を聴き 男は退屈そうに煙草を呑み…))



“木曜休みが4日ある週”

“金曜日(フライデー)は”
“ロビンソンからも都会からも遠く離れて”

“合作映画の俳優”

おんぶし合いっこヒッチハイク問答
①Q.“これは映画?現実?”→A.“映画だ”→大ウソツキと罵られ…
②Q.“毛沢東とジョンソン どっちと寝る?”→A.“ジョンソン”→ファシストと罵られ…
(その間に行きずりの男は女を犯し…)
③Q.“中東戦争を始めたのは?”→A.“エジプトよね”→“バカな女だ”と罵られ…

無問答でヒッチハイク成功


Chapter7

“第三世界”

アフリカの主張
“アラブの兄弟”の主張
パンを貪り食う同乗者2人組



“西洋”
小難しい議論云々…



“ウイークエンド”
目的地オワンヴィル(不倫女の実家)へ
お風呂!





Chapter8
お風呂
カバの物語



“生活”

“田舎の生活風景”

皮を剥がれたウサギ(食用)
鮮血



“FLSO(SO解放戦線)”
小鳥の囀り青年
ブスと若い女と美女と人並みとジジイ
森林ドラマー(交代制)



“セーヌ・エ・オワーズ解放戦線(×)”

“「戦艦ポチョムキン」”
“「捜索者」”



“「トーテムとタブー」”
女性器に生卵と魚



“「八月の光」”



“熱月”

“内蔵がうまい”



“九月虐殺”

森での豚や鳥の屠殺



“雨月”



“「大砂塵」”
“「ベルリング」”



“「十月」の言葉”

“老いたる海”への詩



“アリゾナ・ジュール”



“つなぎ間違い”(×3)



“葡萄月”

カエル
サメの心臓
人間のはらわた
人間の異常性
豚肉とイギリス人の煮込み〜女の亭主の肉も少し
→貪り食う手を止めず 表情一つ変えず “後でお代わりするわ”



“終わり”
“おとぎ話の終わり”
“映画の終わり”








みんななんかちょっと変…おかしい…
異常なほど自分勝手ってすぎるし 自己中過ぎるし 利己的過ぎるし 秩序なさすぎだし 人の死に対して淡白すぎるし 道徳も倫理観も他人に対する優しさもなさすぎるし…etc…つまるところ愛の不在

相対性
(富裕層⇔貧困階級/資本主義⇔共産主義/神秘主義⇔唯物論主義 俗物性/平和⇔暴力/)

どこもかしこも事故その他により車爆発炎上 死体ゴロゴロ 血ドバドバ

“なんて映画だ 病人ばかり”

好きだけど…マルクス主義肯定的なとことか暴力革命肯定的なとことか…?な思想には賛同できない
そしてイエスをコミュニスト扱いするのには憤慨

人間の異常性への考察

カニバリズム
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