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高麗葬のKOUSAKAのレビュー・感想・評価

高麗葬(1963年製作の映画)
4.2
シネ・ヌーヴォ、キム・ギヨン監督特集上映の初日1本目に鑑賞。

キム・ギヨン監督作品の初体験がこの『高麗葬』となったわけですが、期待通りの濃密な1本でした😵

軸となるのは主役グリョンと極悪十人兄弟との因縁対決と、俗にいう「姨捨山」ストーリーがメイン。そこに苛烈なまでの貧困と狂気が、まるで深い森の中を漂う濃霧のように、ジメ~っとシーン全体にまとわりついてきます。

最初から最後までセットが凄く豪華で、このジメ~っとした濃密な世界観が見事に表現されていました🤔

人間の愚かで醜悪な部分が次から次へとむき出しにされるので、見ていてちょっと重いな~😣と思う事もありましたが、どのキャラクターも「デフォルメされた可笑しみ」みたいなものを持ち合わせているので、トータルとしてはちょうど良い絶妙なバランスになっていると思いました。

しかしまあ一言でいうと、諸悪の根源はムーダン、アンタやろ‼️って思いました😆みんなアンタのいう事に振り回されて、人を殺したり殺されたり、小さな子供が生贄にされたりで、もうムチャクチャやんか‼️ラストで成敗されて当然や‼️

終盤の姨捨シーンでは「さようなら」「ちょっと待って」をどんだけ繰り返すねん‼️って心の中でツッコミ入れた人は多いと思います😆完全にコントやん。でもお母さんの一言一言は染みる言葉が多くて、まさに吉本新喜劇クラスの泣き笑いで魅せてくれました。あと禿鷹、普通に怖かった😱あっという間にお母さんがガイコツ状態に・・・。ああ~~・・・‼️

2か所映像が欠落していて字幕と音声だけになる部分があるというのは事前に知っていましたが、あんなに長いとは思いませんでした(合計18分くらいだそうです)。せっせと妄想を膨らませながら「脳内補完」に勤しみましたが、こんな映画体験もある意味貴重ですね😊

とにかく強烈な作品でした😵異端の天才キム・ギヨン監督の「初体験トラウマ」がこの作品で本当に良かったと思います。
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