Ginny

ラ・ラ・ランドのGinnyのレビュー・感想・評価

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
3.7
私は打ちのめされた。
Heartbreak。

ミュージカル好きだから、期待して、甘える気持ちで見に行った。
安心して。ぬるま湯かなって思ったら…。

すこしノスタルジックというか古いミュージカル映画調なところもありながら撮影技術・センスは洗練された最新のもので圧巻。エンターテイメントがすごい。それでいて、ストーリーは置いてけぼりにならず実直に描かれていて、途中トーンダウン(演出だろうけど中だるみには若干感じた)したけれど最後はその落ちた分のテンションも全回収して終了!
私、茫然自失。

序盤は最高のテンションに感動して泣きそうになり、
最後は、悲しくて泣きそうになった。
本作のキャッチコピーは『夢を見ていた』。
映画を見終わり、知り、胸に刺さった。名コピーですわ。

ミュージカルの迫力は、ここまできたか、という感じ。
もう撮影が最高。カメラワーク最高。編集最高。
アカデミー賞も撮影・編集賞は絶対!!!
でね、それでただパワーアップしたミュージカル映画って思ってほしくない。とふと思った。
ミュージカル映画は見るだけでパワーが貰えて見終わった後スッキリするイメージだけどこれはちょっと違う。引っかかる部分があった。
それは、納得いかないとか不満の引っかかりではなく、ん?これは見過ごせない、今までと違うやつだぞ?という引っかかり。
それは終わり方を見て是非感じて貰いたいんだけれど、展開のベクトルは想像つくものだとしてもその描き方自体は千差万別。独特。
あげてあげてあげてあげてあげてあげて ドンッと落とされた気分なの。
しかもその落とし方が、ねちっこくなくて重くなくて責められない、あぁそうだよな現実って。という感じ。

鮮やかでした。途中テンション落ちたこともあったけれど全体を通して吸引力が強い。画面に引き付けられることが多かった。
でも…アカデミー賞作品賞なのか?となると二つ返事でうんうんと思えない。作品賞というラベルがあることで、純粋に楽しめなかったかも。
本当にふさわしいのか?とれるのか?っていう視点が抜けきれなかった。

エンドクレジットでコレオグラファーが目についたけれど、昨今振付師の存在、価値が認識されている気がする。
これもすっごく振り付け良かった!
歌は主演の二人はそこまで上手じゃないかな、と思ったのだけれど振り付けとカメラワークと移動のシナリオ?転換が計算されていてそれが良かった。ライアンゴズリングがピアノ実際に弾いたというのも感激。

でも、『セッション』の方が好きだな。
JKシモンズの無駄遣い…。

(2.27追記)まさかの編集賞とらなかったけど、撮影賞とって安心納得。
Ginny

Ginny