ダーデン二郎

イット・フォローズのダーデン二郎のレビュー・感想・評価

イット・フォローズ(2014年製作の映画)
4.1

生と死とは何かを語ろうとしている作品である。

sexをすると"それ"に死ぬまで追い回される。
公開当時アメリカでは性病のメタファーではないか?という説が飛び交っていたらしい。監督はそれを否定している。
では一体"それ"とはなんだったんだろう?
物語の登場人物は20代の大学生たちだ。
私は自慰やsexを子供が親元から離れて自己責任で行う子供から大人へと変わる成長の過程だと思っている。
人間である以上"性"というものから逃れることはできないであろう。
常に誰かから覗かれているようなカメラワークが非常に印象的である。
今作で"死"というのはゆっくりと確実に訪れるものとして描いている。それが非常に恐ろしい。
最後のシーンが印象的だ。死からは逃れられないが誰かと分かち合うことで受け入れられるかもしれないという終わり方をする。
とんでもない作家性をもつ監督が現れた気がする。