ダーデン二郎

スキャンダルのダーデン二郎のレビュー・感想・評価

スキャンダル(2019年製作の映画)
4.0

監督:ジェイ・ローチ
脚本:チャールズ・ランドルフ
撮影:バリー・アクロイド
美術:マーク・リッカー
衣装:コリーン・アトウッド
編集:ジョン・ポール
特殊メイク(シャーリーズ・セロン):カズ・ヒロ
出演者:シャリーズ・セロン、ニコール・キッドマン、マーゴット・ロビー

[あらすじ]
2016年にアメリカのテレビ局FOXニュースで行われたセクシュアルハラスメントの裏側を描いたドラマ。テレビ局で活躍する女性たちをシャーリーズ・セロン、ニコール・キッドマン、マーゴット・ロビー、数々のセクハラ疑惑で訴えられるCEOを『人生は小説よりも奇なり』などのジョン・リスゴーが演じる。『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』などのジェイ・ローチがメガホンを取り、『マネー・ショート 華麗なる大逆転』などのチャールズ・ランドルフが脚本を手掛けた。
大手テレビ局FOXニュースの元人気キャスター、グレッチェン・カールソン(ニコール・キッドマン)が、CEOのロジャー・エイルズ(ジョン・リスゴー)をセクハラで提訴する。メディアが騒然とする中、局の看板番組を背負うキャスターのメーガン・ケリー(シャーリーズ・セロン)は、今の地位をつかむまでの軌跡を振り返って動揺していた。一方、メインキャスターの座を狙うケイラ・ポスピシル(マーゴット・ロビー)は、ロジャーと対面する機会を得る。

〈感想〉
FOXニュースは共和党をヨイショするためだけに作られたテレビ局だ。ニクソンの時代からずっとアメリカの右翼が好むアメリカらしさ"を常に見せてきた局だ。9.11では世論を戦争に向かわせるようなデマを流して終戦後も誤りを認めなかったデタラメなメディアだ。

主演の3人の演技が見事だった。マッドマックスで力強いフュリオサ隊長、スーサイド・スクワットでキュートで強いハーレー・クインを演じた2人がいつセクハラをするクズ野郎共をぶち殺してくれるんだろうと期待していたが今作はそんな分かりやすくカタルシスを与えてくれる映画ではない。
女性に対して行われるセクハラや舐め腐った態度が死ぬほど不愉快だった。多かれ少なかれ社会で女性がこんな様な体験をしていると思うと胸が傷んだ。特に嫌悪感を感じたのは、セクハラを受けている女性がその相手に気を使いながらその場を収めようとしているシーンだ。なぜ不快な想いをしている女性が相手を気遣い摩擦が生じない様に気を配らないといけないのだろうか…我慢しないといけないのだろうか…

今もなお、どこかで女性を軽視しているが故に起こっているセクハラを意識してカタルシスを感じられない終わり方にしているのであろう。
女性に限らずどんな人間と接する時も相手の気持ちを考えて尊重する言動を取らねばならないと思い知らされましたね…