何度も死線を潜り抜けた仲間たちのリーダー、ドミニクが、なぜかテロリストでハッカーのサイファーのもとへ。
恋人のレティや仲間たちはドミニク奪還に動く一方、政府はドミニク逮捕のために前作で刑務所に送り込んだデッカード・ショウを協力させようと考える。
大人気シリーズとなった『ワイルド・スピード』の8作目。
私たちのヴィン・ディーゼルをみんなで奪い合う話。
痛快で爽快で娯楽映画の神髄。
元々はストリートレーサーと警察官の街規模の話だったのが、いつの間にか国家レベル。
続編がつくられる度に、そのさらなるスケールアップを図ってきた本シリーズ。
この作品では、ついにニューヨーク市街での壮絶カーチェースに加え、氷の上での潜水艦との死闘までくり拡げられる、まさにサービスのてんこ盛り。
興業収益に後押しされた潤沢な製作費によってド派手なアクションが本作も目白押しです。
並みの映画ならクライマックス級のシーンが連続して展開される様は圧倒されますね。
相変わらず突っ込みどころは満載ではあったが、派手なアクションと高級車を惜しげもなく壊す景気の良さは流石はアメリカ映画といったところ。
ヴィン・ディーゼルとドウェイン・ジョンソンのマッチョアクションに、ジェイソン・ステイサムのスピードあるアクションが加わり、無敵のアクション映画になりつつある。
元祖マッチョ俳優のカート・ラッセルも押さえてあるしね。
また、ポール・ウォーカーの穴を埋めるためか、イケメンポジションでクリント・イーストウッドの息子スコットが新たに加わる。
敵のサイファーにシャーリーズ・セロンが扮するように、とにかくキャストが豪華。
だが、主人公が敵になるという設定自体はハラハラドキドキするサスペンス要素になりそうだけど、あんまり緊張感はなかったかな。
それよりも、ジェイソン・ステイサムが文句言いながらも主人公たちの味方となって戦う姿が面白かったです。
以前の宿敵と協力して更に強い敵に立ち向かうあたりは、『ドラゴンボール』を思わせる。
アクションの合間に見せる愛嬌あるユーモラスなシーンが効果的。
特にジェイソン・ステイサムとドウェイン・ジョンソンの口喧嘩にはおおいに笑わしてくれました。
ただ、ハンを殺したのはコイツだってことを忘れちゃいけませんよ。
あと、ドミニクの女性問題はみんなスルーしているけど、本当にこれでいいのかな?と心配になるヒロインたちの扱いでした。
個人的にはエレナの扱いに憤慨。
悪いけど赤ん坊の件とか含めて、結果的にドミニクとレティが美味しいとこどりしたようにも見える。
あと、ブライアン本人は出てこないけど、台詞に入ってくるだけで泣けるわー。
ちなみに、今回ドミニクが敵になった理由は、
「この映画、ハゲが多すぎじゃないかね?これじゃ、新しく見る客は誰が誰かわからないぞ?」
これに対し、ディーゼルは。
「俺もそう思ってたんスよ。じゃあ、こうしましょう。ドムが裏切る。そうすると、ハゲが敵と味方に別れるから、区別し易くなるでしょ?少しは」
「それは名案だな、ディーゼル君。じゃあ、そういう方向で行こう」
という理由で、ドムは敵となったのだ。