さりさり

最愛の子のさりさりのレビュー・感想・評価

最愛の子(2014年製作の映画)
4.5
心が張り裂けそうなシーンに何度も涙が滲んだ。
悲しみだったり、怒りだったり、苦しみだったり。
でもわずかでも希望はあったし、確かな喜びもあった。

ずっと被害者の方が主人公かと思っていたら、実は誘拐犯側が主人公だったのか。

子供を誘拐された親たちの姿があまりにも痛々しくて、たとえ誘拐犯の妻・ホンチンがその事実を知らなかったにしても、あのホンチンには同情は出来なかった。

駅のホームで「子供を返せ!」と怒号を浴びせながらホンチンを袋叩きにした “被害者の会” の親たち。
どれだけ必死な思いで我が子を探し求め、誘拐犯を恨んでいたかがわかる。
あれが最愛の子を失った親の本当の姿なんだろう。

年間20万人の子供たちが行方不明となっている中国。
誘拐や人身売買、一人っ子政策の落とし穴。
格差問題、貧困問題。
数え出したらキリがない中国の闇。
本当に恐ろしかった。

衝撃のラストに打ちひしがれた。
だって、こんな事、誰が想像出来た?
これが運命というものなら、それはとても残酷。
さりさり

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