『マルガリータが家で冷えてる』
主人公の演技がただただ素晴らしい映画。本当に障害を持っている方だと思って見ていたら演技だったとは。
生々しいベッドシーンはインド映画ではないよう。登場人物たちは踊らないが、同様に観客の心も踊らない。監督の個人的な映画なだけに著しくストーリーがぶれ、どうにもこうにも感情移入しづらい主人公。それが青春、だからと言っても余りにも無鉄砲すぎ、他人の気持ちを考えていなさすぎる主人公に登場人物だけではなく観客も振り回されてしまう。
多すぎる障害も、結果、あれ、自分、これ何を見ているんだっけ、と戸惑ってしまう。
障害者の主人公はストローを使って飲み物を飲む。ラストシーン。鏡の前でマルガリータをストローで飲む主人公には、それでも生きて行くという力強さ。誰にも何にも曲げられない自己肯定の正しさと正しくなさがそこにある。