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彼女が目覚めるその日までのmaverickのレビュー・感想・評価

彼女が目覚めるその日まで(2016年製作の映画)
3.8
原因不明の病気と戦った女性の手記を元に、それを映画化した感動の物語。自分を失ってゆく病気に蝕まれた彼女の姿は痛ましく、想像を絶する苦しみや怖さだったろう。そんな本人もだが、家族や恋人、友人ら周囲の人々の辛さや苦悩も伝わる話だった。特に両親の我が娘を守ろうとする必死さは涙なしには観れない。難しい役を演じたクロエ・グレース・モレッツの凄さが病気の怖さをより一層引き立てる。最初こそいつものクロエだなぁと感じたが、病魔に侵されておかしくなってゆく様が本当に何かに取りつかれたような怖さでぞっとする。そして抜け殻のようになってしまった後は痛々しくて涙を誘う。彼女がこの役にキャスティングされているのも納得だ。実の本人は本を書くにあたり、病気の怖さと、同じように苦しむ人への助けになることを第一に考えたはず。本作が安っぽい感動ものになっていないのは、しっかりと製作側が本人の意志を汲み取っているからだ。邦題とパッケージの写真からスイートな恋愛ものと勘違いされるかもだが、どう作品を推したいのかがお国柄でよく分かるなと思う。うーん。いやしかし良い映画でした。
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